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能力開発|やらざるを得ない状況と使わない機能の顛末

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能力開発|やらざるを得ない状況と使わない機能の顛末

能力開発|やらざるを得ない状況と使わない機能の顛末

2023/11/02

あなたは不自由な生活を経験したことがありますか?

 

私は50年以上生きてきて入院・手術の経験こそあれど、骨折ゼロでした。しかし、9月下旬に右腕を骨折し手術と1週間の入院生活、そして現在もリハビリのため通院しています。利き手である右腕が使えないということは右手も使えない、すると字を書くのも食べるのもキーボードを打つのも3週間近くろくにできない状態。そんな私の不自由な生活がわが夫の行動変容をもたらし、部下の能力開発に通じるところが大いにあると思い、私の骨折によって変わったわが家のケースについて書き綴らせていただきます。

 

やらざるを得ない状況

私は山へハイキングに行こうと9月下旬に長野県へ車で出かけ、その途中のサービスエリアに立ち寄りトイレ休憩を取ろうと車を降り、天気が良かったのもあり機嫌よくハツラツとトイレへ向かって歩き出して間もなく両足の足首を誰かに掴まれたかのようにロックがかかり勢い余って前へバタンと転倒。両手をついたので顔は無傷でしたが右腕に痛みを感じ、テーピングで応急処置をしハイキングは予定通り行い、翌日整形外科で診察を受けたら「右腕橈骨遠位端骨折」。斜めに折れているのと早く治したいならということで手術(現在プレートが埋め込まれている状態)し、1週間入院、そして退院後も右腕を動かしてはいけないという不自由な生活を送ることになりました。

 

私が1週間入院している間、夫とアラサーの娘は家事を手分けしてやることになりました。夫は典型的な昭和の男で、家事や育児は一切やらなかったのと単身赴任生活15年でも家事はまるっきりポンコツ(その分仕事は一応できるタイプだったみたいですが)。2年前に定年退職し週4日のバイトをするようになってからは洗濯と食器洗いを手伝ってくれるようになりました(この変化だけでも晴天の霹靂でした)。娘は医療機関に勤め、現場リーダー的な仕事をするようになった最近は帰宅が夜8時過ぎになることが多いし、朝はわが家で一番早く出ていくのでほとんど家事はやっていませんでした(私が甘やかして育てたかもしれません)。娘は仕事だけでも心身ともいっぱいいっぱいな状態だったことから、夫が主夫となって洗濯と料理・皿洗いをするようになったようです。

 

私が退院してからも私が右手が使えず料理ができない状態だったので、夫は「俺がやるから何もしなくていい」と苦手な料理をスマホの料理アプリを見ながらいろいろ作るようになっていきました。そして術後3週間が経過して包帯やシャーレ(固定する小さな板)なしになり、右手で箸を使って食事したり字を書けるようになり、包丁もおそらく使える段階になり、夫は夫で毎日「主夫は疲れる~」とほんとに頑張ってくれていたので、「もう私は大丈夫だから料理は私がするから」と家事のバトンを私に返すように言ってみました。すると夫から出た言葉が「これからも俺が主夫をする。料理も俺がするから」と夫に台所を占領されてしまう有り様です。これは全く思いも寄らないことでした。夫は「疲れて帰って来て晩ご飯を作るのがどれだけたいへんなことかがわかった」と1週間でつくづく感じたようだったので、一日も早く家事を交代してほしいと言うだろうと思っていたのに。

 

私が入院し夫が主夫をするようになってからちょうど1か月。料理に要する時間もだんだん短くなったり、手の込んだものも作るようになり、「おいしいだろ?」と毎回聞いてきて、味にもこだわりを持つレベルになってきました。結婚生活30年、今までやればできるのにやろうとしてこなかった。それは妻の私が「夫は仕事人間、夫には家事はムリ。仕事も家事も育児も私が頑張るしかない」と娘が保育園の頃から夫に手伝ってもらおうと期待する(期待するとやってくれない夫に腹が立つ)ことを止め、夫がやらざるを得ない状況、夫自身が変わらなければならない状況を作らなかった私にも原因があると今回のことで思い知らされました。サラリーマン社長をやっていた以前の夫と気楽に働いている今の夫では同じ8時間労働していたとしてもゆとりが全然違うので、その頃に私が骨折したとしてもその後主夫をし続けることはないかもしれません。が、人は「自分がやらなければ」という状況や環境に置かれれば適応しようと努力し成長することを30年変わらなかった夫が証明してくれました。

 

 

使わない機能の顛末

骨折したことがある人は体験してご存じかと思いますが、骨折の治療には大きく2つの治療が必要になります。1つは骨をくっつけること(骨の再生化)、もう1つは筋肉の硬直化を防ぎなるべく元のようにスムーズに動かるようになることです。この2つで本人が意識してやらなければいけないのが筋肉の硬直化を防ぐことです。骨は自分の意思ではどうにもできませんが、筋肉は自分が動かそうとしない限り動かすことができません。だから術後で大事になってくるのがリハビリです。私はそんなことを考えもしなかったので、医者から「術後は週2回はリハビリで半年間通院してください」と言われたときは通院が面倒くさいという思いがあったのか「週2回も、しかも半年も必要なのか?」と疑いました。

 

ところがいざ手術が無事終わり、ギブスでガチガチに固定された右腕を毎日入院中に手や指のリハビリをし始めた途端、こんなにすぐさま手や指が動かなくなるとは…とショックを受けました。手をグー、パーと閉じて開いての動きや指と指を合わせる動きも信じられないくらいにできなくなっていました。さらにそれは手の筋肉だけでなく腕全体の筋肉と関係しているため、リハビリでは手、指、腕のマッサージも行なわれました。

 

理学療法士にそんな体のメカニズムについて聞いてみると興味深いことがわかりました。ここでクイズです!使わない腕は硬くなってしまうのですが、なぜ硬くなるのでしょうか?

 

担当してくれている理学療法士の一人がこう教えてくれました。ヒトが四足歩行していた時代の名残りで、動物は足をケガし動かせなくなったとしたら歩くことができません。そうなると他の動物から逃げたりエサを取りに行くことができず死のリスクが高まります。なので機能しなくなった足は硬くなることでかろうじて体を支えることができ、四足歩行がなんとかでき、生き延びることができるということです。ヒトが二足歩行に変わってもなぜかそれは残っているらしいです。だから、ヒトも他の動物と同じで使わないと動かなくなり固まってしまうわけです。

 

このことを会社組織に当てはめて考えると見えなかったものが見えてくるのではないでしょうか。

 

例えば、従業員満足度調査や改善提案制度を行い社員の声を拾おうと聞くだけ聞いておいて何もしなかった場合、次に同じことをやっても「正直に書いてもどうせ変わらない」となり、期待があきらめに変わり、思考や感情のスイッチをオフにする(割り切る)ことで自尊心を守るというメカニズムが起こります。リハビリと同じで一気に無理やり動かすのではなく徐々に動かしていけば社員が元々持っている能力が発揮できるようになると考えることができます。

 

人は何歳になってもその気があれば変わることができるものです。

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