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職場でできるワークライフバランスの「10の実践」

職場でできるワークライフバランスの「10の実践」

2020/10/16


前回の続きになります。今回はワークライフバランスの実現に向けた取り組みをご紹介します。

ワークライフバランスに取り組む意味

ワークライフバランス、いわゆる生活と仕事の調和が重視されるようになった背景には、「育児と仕事の両立」、超高齢社会による「介護との仕事の両立」、性別役割分業意識が弱まり「男性も仕事以外の生活を重視」の3つの課題があります。

価値観の多様化、そして長時間労働や休日出勤による健康被害もあり、仕事オンリーの生活ではなくプライベートも大事にし、心身の調和やウェルビーイングをもたらすことがいまの社会で求められていることです。

ちなみに、従業員がワークライフバランスを実現できている状態というのは、「会社や上司から期待されている仕事あるいは自分自身が納得できる仕事ができ、なおかつ仕事以外でやりたいことや取り組まなくてはならないことにも取り組めること」とあります。

その逆の状態であると、仕事への意欲が低下し、生産性や創造性が低下してしまうことが多くの実証的な研究によって明らかにされています。

人事労務管理制度を構築する

人によって仕事以外で重要とする内容は異なりますし、ライフスタイルは年代によっても変化していきます。また、育児や介護などの時間制約のある社員が増えてきていたり、テレワークが導入されたりと働き方に変化が出てきているものの、人事労務管理制度が従来のままという会社が少なくありません。そうすると、時間制約なく働ける人にしわ寄せがいき、アブセンティーズムゃプレゼンティーズム状態に陥り、生産性や創造性が損なわれるおそれがあります。今後は、高齢者、女性、障がい者、外国人労働者等、ダイバーシティの視点から雇用できるような人事労務管理制度を構築していかなければ、企業の継続的発展は難しいでしょう。

職場内の「ムリ・ムラ・ムダ」をなくす

ワークライフバランスの取り組みは、従業員の意識も変えていく必要があります。両立支援等をスムーズに受け入れることのできる企業風土を社内に根付かせる等の土台づくりが重要です。それがないといい制度があっても活かせなくなってしまうからです。

具体的にどのような取り組みが必要か?

まずは様々な職位に対する研修会の開催や、組織を活性化させるためにコミュニケーションの向上につながるような研修会の開催です。また、並行して業務の進め方を見直し効率化し、本来の業務遂行のために必要な時間を適正化することです。業務の効率化を行うことなく、両立支援の制度を導入したり、経営者や管理職が「残業削減」を声高に呼びかけるだけでは、制度が適正に利用されずに形骸化したり、あるいは一部の従業員のワークライフバランスが改善しても、そのしわ寄せが他の従業員の負担増を招くといった弊害が生ずるおそれがあります。

健康経営を企業風土に定着させていくためにも、ワークラーフバランスの実現が必要不可欠です。まずは現状を把握し効率よく仕事をするには、時間には制約があることを管理職や一般社員のすべての方に意識づけすることが必要不可欠です。

ワークライフバランス実現の3つの心構え

1.本気!
ワークライフバランス実現のために、仕事を効率化して、労働時間を削減することの実現に向け、全員が「本気」で徹底的に取り組む。

2.前向き!
やらされ感ではなく、全員が納得した上で、仕事の効率化に「前向き」に取り組む。納得できないことがあれば、一度立ち止まってみんなで話し合う。

3.全員参加!
自分だけは例外を許さない。忙しいを言い訳にしない。すべての仕事で効率化に取り組み、「全員参加」でワークライフバランスを実現する。

ワークライフバランスの実現に向けた「10の実践」

内閣府が実施した調査では、「ワークライフバランスを実現するために必要な企業の取り組み」として、約9割の人が「ムダな業務・作業をなくす」を挙げています。一方、同じ質問に対して「仕事の量を減らす」を選んだ人は約4割にとどまっています。これからみても中核的な仕事ではないムダな作業が相当程度存在し、ワークライフバランスの実現の障害となっている職場が多いことがわかります。

1.会議のムダ取り

会議には「情報共有」「アイデア出し」「意思決定」「交流やスキルの向上」「帰属意識の醸成」など様々な目的があり、業務を進める上で欠かせないものです。一方、会議に要する時間が1日の大半を占める人もいて、「会議が多くて仕事にならない」と嘆く声まで聞かれ、会議を効率的に進めることは、一人ひとりの仕事を効率化する上でも重要な意味があります。

<ポイント>
・会議の開始前に目的やゴールを明確にし、議論の方向性を一定に保つ
・終了時間が遅れると、次に予定してる業務にも影響が発生するので時間を遵守する
・参加メンバーや開催時間を見直す。そしてその会議での結論は必ず出す
・会議時間は、内容に即した時間をリーダーが決定する
・会議終了後に決定事項を確認する
・参加者全員に発言してもらう

2.社内資料の削減

上司への報告資料、社内会議での配布資料など社内向けの資料は多く、必要のない資料が多いのも事実です。このような資料の作成時間は、本来の業務を圧迫している場合もあります。例えば、定例報告は必要最低限の情報を記載するフォーマットを作成し活用すること、また管理職は資料を作成する者に、目的や用途をしっかり伝えることも重要です。あいまいな指示をしてしまうと作成基準がわからず、「念のために作成しよう」という意識が働き、資料が増加することにつながります。

<ポイント>
・定例報告等には、必要最小限の情報のみ記載する
・管理職は、作成する者に資料作成の目的・用途・基準を正確に伝える
・資料の書式や様式の統一化を図る
・経営トップに「ムダな資料の作成禁止」を発信してもらう

3.書類を整理整頓する

担当者が休暇や休業等により不在であったとしても、書類の保管場所がすぐにわかるように文書やデータの整理や共有化が図れていれば、業務の属人化を防止することになります。また、ホワイトボードやスケジューラーでも「見える化」できていれば、担当者の業務量、進捗状況、業務上の課題等の情報共有を図れます。それらの取り組みによって一個人に頼らない組織的な業務遂行が可能となります。

<ポイント>
・従業員のデスクやキャビネットの整理整頓の状況によって、業務効率に差が生じる
・書類1枚を探すための時間を短縮できれば、それだけ仕事は効率化する
・業務効率化には、社内のレイアウトを変更するような大掛かりなものではなく、
 身近なところからスモールチェンジを始める
・パソコン内におけるファイルを整理する

4.標準化・マニュアル化

ワークライフバランスの実現には、従業員がお互いにフォローできる体制を作ることも重要です。「人に仕事がつく」といった業務の属人化となってしまうと、担当者が不在の場合、業務がストップしたり、業務の品質も担保できなかったり、普段から情報の共有ができていないので、社内のコミュニケーションの悪化にもつながるおそれもあります。なぜ、属人化してしまうのか、様々な理由はありますが、業務が高度過ぎたり、担当者が忙し過ぎて振り返る時間がなかったり、属人化することで自分の立場を守りたいと考えていたり等が挙げられます。こうした弊害を避け業務の迅速化を図るために、属人化を解消し業務を可能な限り標準化・マニュアル化しましょう。

<ポイント>
・「人に仕事がつく」スタイルを改め、業務は可能な限り標準化・マニュアル化する
・すべての業務を標準化・マニュアル化はできないので、各職場の実情を合わせ、
 対象となる業務を見極める

5.労働時間の適切な管理

長時間労働や休日労働が恒常化したり、また、その状況が特定の従業員や部署に偏ったりするケースでは、従業員の個々レベルの努力や取り組みでは適切な管理ができないことが少なくありません。まさに経営陣のトップダウンと管理職のリーダーシップを発揮することが求められます。労働時間の適切な把握義務化は、2019年4月施行の「働き方改革関連法」にも盛り込まれており、一般の労働者のみならず、管理監督者、新商品の開発業務、高度プロフェッショナル制度の対象者(健康管理時間)の健康管理にも重要な役割を担っております。

<ポイント>
・組織的対応として、日々の長時間労働の発生状況を管理職が正確に把握する
・長時間労働の発生、業務効率性の著しい低下等、課題を適切に把握し改善に努める
・時間管理について自己申告制度を活用している場合は、特にその管理方法に注意する
・管理監督者、新商品の開発業務、高度プロフェッショナル制度の対象者についても
 対応する
・すべての従業員に、労働時間には「時間制約」があることを認識してもらう

6.業務分担の適正化

業務の流れ自体に、業務の効率性を阻害する原因が隠れている場合があり、これは業務分担が適正に行われていないということになります。例えば、本来は現場レベルの裁量で、意思決定ができるにもかかわらず、その上の上司に確認が必要であるとか、本来の管理職としてのマネジメントが適正に行われていないといえまう。また、部下の権限や裁量の範囲が拡充することは、メンタルヘルス不調の防止や改善、またスキル向上にもつながることがわかってきています。

<ポイント>
・適切な権限移譲は、管理職および一般社員の双方に有効である
・業務分担を適正にするには、業務の流れの各段階で必要となる作業方法や
 担当者割について業務分析を通じて把握し、「誰が」「どのタイミングで」
 「どの作業を」担当するのかを再検討する
・業務分担の適正化は、管理職および一般社員の双方にとって
 メンタルヘルス不調防止に有効である

7.担当以外の業務を知る

特定の人に業務量が集中すると過重労働にもつながり、メンタルヘルス不調の引き金となるおそれがあります。業務分担の平準化を行うためには、各従業員にある程度広い範囲の業務を担当させ、かつ適切な意思決定ができるようにする必要があります。そのためには、各従業員が主たる担当業務以外の周辺業務の知識を身に付けておく必要があります。いわゆる「多様工化」を進めることで、業務負荷の特定の人への偏りを解消することができます。

<ポイント>
・自分以外の業務を知り、業務負荷が重い時には、助け合える業務を作る
・特に管理職の業務を部下に委譲する際には、同時に裁量権の委譲も行う必要がある
・「多様工化」を進めることで、意思決定の時間を短縮し、組織全体の業務効率が
 向上する
・さらに人材の柔軟性を高めることにもなり、休暇の取得しやすい環境になる

8.スケジュールの共有化

職場では、従業員各々が「時間成約がある」ことを理解し、この作業にどの程度の時間をかけるべきかを意識しつつ、作業を計画し遂行することが業務の効率性を向上させることにつながります。また、作業に没頭すると、時間や会議等で経過時間を忘れがちになることを防止するために、職場のメンバー全員が自分のスケジュールを公開し、お互いのスケジュールを確認できるように工夫することで、職場全体で協力して業務効率化に取り組むことができます。

<ポイント>
・時間管理ツール等のアプリやホワイトボード等を用いて、スケジュールの共有を図り、
 お互いの業務効率化に協力する
・突発的な出来事や業務の効率化のために、職場の全員がスケジュールを共有する
・特定の従業員に業務が集中しないように、事前にスケジュールと業務内容を共有する

9.「がんばるタイム」の設定

ホワイトカラーの場合、業務の効率性は個人の集中力とその持続性に左右されますが、実は、集中して自身の業務に没頭することが意外に難しいと感じることも少なくありません。例えば、集中して業務がはかどっているときに限って電話がかかってきたり、上司や同僚から相談があったり等、集中力が持続できないことが少なくありません。最近、多くの企業が取り組んでいる「がんばるタイム」の活用は意外と効果的です。現在、がんばるタイムであることを周知するために、机の上や首からプラカードを下げる等の方法で実施します。

<ポイント>
・自分の業務や職場内での議論、コミュニケーションに集中できる時間を作る
・全社的な取り組みとする必要があり、現場の各部署では「がんばるタイム」時間帯の
 遵守と取り組みの継続が重要となる

10.仕事の効率化方法の共有

職場内には、効率的な仕事の進め方を実践しているロールモデルとなり得る従業員が必ず存在します。このような従業員の仕事の進め方や効率化のスキルを、企業全体や職場全体で共有することは企業の財産となります。この仕事の効率化等の方法の共有は、同じ場所で働いていても自然に実現されるものではないので、繰り返し研修などを開催して知識を広めていく必要があります。

<ポイント>
・まずはロールモデルとなる従業員を見つける
・研修などを開催して、効率的な仕事の方法を共有する
・企業全体、職場全体でスキルを共有する
・自身の仕事の方法についても、それぞれ考える機会を提供し、取り組みに理論的な
 説明を加えたり、他社の事例も参考に定型化を図る

お互いを知るためのコミュニケーションを交わす

ワークライフバランスの実現には、組織や管理職は、部下の個人的な事情や希望する働き方等の情報を得る必要があります。そのためには日頃から、組織のコミュニケーションの活性や・円滑化が必要です。例えば、職場内での情報共有のためアンケートを実施したり、家族同伴の運動会や社員旅行等の社内イベントを開催し、コミュニケーションを図るのも1つの方法です。またワークライフバランスの実現を支援するために、管理職の理解やアクティブな行動が重要です。その他、職場のコミュニケーション向上においても、必要不可欠なスキルとして「聴く」「共感する」「伝える」等のコーチングスキルを身に付ける研修を、継続的に開催することも重要です。

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