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健康経営|他の経営課題の改善・解決へ ③ウェルビーイング

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健康経営|他の経営課題の改善・解決へ ③ウェルビーイング

健康経営|他の経営課題の改善・解決へ ③ウェルビーイング

2023/10/13

ウェルビーイングとは、健康、幸せ、福祉、良いあり方のことです。

幸せな従業員は不幸せな従業員と比べ、

・創造性が3倍高い

・生産性が30%高い

・欠勤率が低い

・離職率が低い

・利他的で他者を助ける

・チャレンジ精神が強い

・仕事への満足度が高い

・レジリエンス(危機から立ち直る力)が高い

・出世が早い

など、多くのことが明らかになっています。つまり、従業員の幸せを重視することが、企業の長期的な利益につながります。幸せに関する研究はあらゆるところでされている中で、幸せにつながる因子や働く人の幸せ因子にはどんなものがあるかを知った上で、それらを活用し幸福を含む健康経営を実践していくことは企業側・従業員側共々効果的な取り組みと言えます。

 

 

ウェルビーイングとは

この言葉は1946年にWHOの健康の定義の中で使われた言葉です。「健康とは、身体的、精神的、社会的に良好な状態であり、単に病気や障害ではないということではない」という一節の中で「良好な状態」と訳された言葉であり、健康や幸せよりも広い意味を持つ言葉です。

 

日本の産業界でもウェルビーイングの重要性はすでに認識されつつあり、京セラやKDDI、JALなどの経営を行ってきた稲盛和夫氏は、かねてより経営理念を「全社員の物心両面の幸福」としてきましたし、トヨタ自動車の豊田章男 現会長(当時社長)が「トヨタの使命は幸せを量産すること」、積水ハウスの仲井嘉浩社長が「わが家を世界一幸せな場所にする」と表明するなど、従業員や顧客の幸せを口にする経営者が増えています。

従来の合理的経営とは、精神論は抜きにして資源を適切に分配し、生産性が高く効率的な経営を行うことでした。しかし、合理性・生産性の価値観が変化し、精神論は科学になりました。従業員が幸せに働いているか否かというパラメータも考慮して経営を行うことが科学的・合理的な経営となったわけです。

 

 

幸せの4つの因子

ではどのような人が幸せな人なのでしょうか。経済学者ロバート・フランクは、他人と比較できる財を地位財、比較的内財を非地位財と名付けました。地位財には金、物、地位などがあります。これらによる幸福感は長続きしない傾向があると言われています。それは、慣れの効果やより上を目指す効果によると考えられています。一方の非地位財は幸福感が長続きする財です。こちらは心的、身体的、社会的に良好な状態が影響すると言われています。

ロバート氏は心的幸福の因子分析を1980年ごろから行い、1,500人の日本人に対しても幸せの心的要因についての87個の質問をし、その結果得られたのが幸せの4つの因子です。

 

第1因子:やってみよう!因子(自己実現と成長の因子)

やりがい、強み、成長などに関係する因子です。やってみようの反対は、やらされ感、やる気がない、やりたくない等ですが、そのような人は幸福度が低い傾向があります。

 

第2因子:ありがとう!因子(つながりと感謝の因子)

感謝する人や利他的で親切な人、多様な友人を持つ人が幸せです。逆に、孤独感は幸福度を下げます。つながりが醸成された社会・コミュニティーを作ることが重要です。

 

第3因子:なんとかなる!因子(前向きと楽観の因子)

ポジティブかつ楽観的で、細かいことを気にしすぎない人は幸せです。リスクを取って不確実なことにチャレンジし、イノベーションを起こそうとするマインドもこの因子に関連しています。

 

第4因子:ありのままに!因子(独立と自分らしさの因子)

人と自分を比べ過ぎる人は幸福度が低い傾向があります。自分軸を持って、人と比べ過ぎずに我が道を行く人は幸せです。

 

これら4つの因子を満たしている人は幸せです。

 

 

はたらく人の幸せ・不幸せの14因子

慶応義塾大学前野研究室とパーソル総合研究所は、2020年7月に「はたらく人の幸せに関する調査」の結果を公表しました。ここでは、幸せと不幸せは単なる反意語ではなく、幸せな働き方の条件と不幸せな働き方の条件は異なるのではないかという仮説のもとに、はたらく人の幸せの7因子、不幸せの7因子を求めました。また、これらの結果が生産性やエンゲージメント(仕事への没入、愛着)に関係することや、業種ごとの値の違いも分析して求めました。

 

<はたらく人の幸せの7因子>

①自己裁量因子(マイペース因子)

②自己成長因子(新たな学び因子)

③リフレッシュ因子(ほっと一息因子)

④他者貢献因子(誰かのため因子)

⑤役割認識因子(自分ゴト因子)

⑥他者承認因子(見てもらえてる因子)

⑦チームワーク因子(ともに歩む因子)

 

<はたらく人の不幸せの7因子>

①オーバーワーク因子(ヘトヘト因子)

②自己抑圧因子(自分なんて因子)

③不快空間因子(環境イヤイヤ因子)

④評価不満因子(報われない因子)

⑤協働不全因子(職場バラバラ因子)

⑥疎外感因子(ひとりぼっち因子)

⑦理不尽因子(ハラスメント因子)

 

これらの値は各因子にうき3問、14因子合計42問のアンケートに答えることによって求められます。オンラインサイトも開放しているため、アンケートに答えて全国平均との差を確認することができます。

 

 

幸せと健康・長寿

幸せな人は不幸せな人よりも寿命が7年から10年長いという研究結果があります。また、幸せな人は免疫力が高く、健康であるという研究結果もあります。健康も幸せもウェルビーイングです。つまり、私たちが「健康に気を付ける」ように「幸せに気を付ける」べき時代がやってきたということです。従来型の価値観では、脂の乗った40代あたりをピークとする逆U字状の幸福感が想定されていたのではないでしょうか。しかしウェルビーイングの科学は、それが上下逆であり、人生100年時代、40代を越えると幸福度は上がり続け、90~100歳で老年的超越を迎えます。お金稼ぎのための労働ではなく幸福になるための労働とマインドシフトすれば、みんなでそれを目指し支える社会、会社を作ることができるのではないでしょうか。

 

 

幸福度を高める方法

セリグマンの研究によると、毎日その日にあった3つの良いことを書くことを1週間続けると幸福度が上昇したというものがあります。その他に幸福学やポジティブ心理学などの書籍も多く出ています。幸せというのは身近な事柄であるだけに、様々な方法で向上することができます。例えば、主体的・自主的に行なっていることを述べ合ったり、感謝していることを伝え合ったりするだけでも幸福度が向上します。いろんな企業が導入しているサンキューカードもその1つです。

 

私がおすすめする簡単にできる方法をご紹介します。

・姿勢を正しくする、下を向かない(背中が丸まっていると気分がネガティブになりがち)

・笑顔(微笑む)を保つ(感情は表情で作られている)

・マインドフルネス(いまこの瞬間に集中し無になる)

・自分のための時間、自分に心地よい時間を持つ(例:月1回メンテナンスデーを設ける、寝る前のひと時)

・仕事・会社以外のコミュニティーを1つでも多く持つ(趣味のサークルや学びの会など)

・ウォーキングやジョギングをする(前に進む動きがポジティブになり、脳科学的にも効果あり)

・睡眠時間をしっかりとる

・当たり前のことに感謝する

 

私事ですが、この記事を書いている今、利き腕の右腕を骨折中でキーボードを打つのはもちろん、日常生活で大変不自由をしています。料理ができないので夫や娘が協力してやってくれていますが、夫は私が結婚生活約30年、働きながら毎晩夕食を作ることの大変さをやっと実感してくれていると同時に、私としては家族がいることのありがたみをあらためて感じています。健康で何不自由なく生活できることは当たり前ではなく、幸せなことだと捉えられるか捉えられないかは大きな違いがあると思います。

一緒に働く会社の仲間も運命共同体です。してもらって当たり前のことに一言「いつもありがとう」という声掛けができる職場はきっとウェルビーイングな会社でしょう。

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