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カウンセリングから学ぶ|相談を受ける際の心得

カウンセリングから学ぶ|相談を受ける際の心得

2022/09/02


報連相という言葉が昔からあるように、相談は仕事を円滑に進める上で大事なコミュニケーションの1つであり、仕事をする人たちの関係を円滑にしたり、困ったときに話を聞いてもらう相談も大切です。しかしながら、私たちは相談=アドバイスを与えると思いがちで、それが相談する側にとっては逆効果になる場合があります。ということから、今回は相談を受ける立場である社長や上司、先輩はどんなことに留意した方がいいかを、相談を受けるプロであるカウンセラーからおしえてもらった相談を受ける際の心得についてご紹介します。

傾聴とは相手の話をただ聴くだけではない

傾聴というと、ただ聴くことと思われているがそれは大間違いです。なぜなら、相談場面で相談者が話していることは、実はそれを話したいわけではないことが多いからです。行きがかりで話しているにすぎず、また話していることはその人の思い込みだったり、クセになっている話だったりします。だから、「何を話したいんだろうか?」「本当は何か言いたいことがあるのでは?」というスタンスで聴く必要があります。それは言語情報だけではなく、視覚情報(アイコンタクト、表情、態度など)や聴覚情報(声の大小やトーン、口調など)も聞き取ることを意味します。

カウンセラー曰く「カウンセリングの最終形、理想形は限りなくぶっちゃけ話ができ、それに向けてお互いが少しずつ正直になっていく関係」だそうです。これは上司と部下の関係性も多少当てはまるのではないでしょうか。

相談の基礎

相談の対話の基礎は、元々の顔見知りの関係というイメージ

専門的な相談の対話の基礎は、元々顔見知りの関係というイメージです。例えば、かかりつけ医と患者との関係、先生と生徒との関係、そして上司と部下との関係です。相談を受ける際、以前からの顔見知りに会うつもりになってみると、根掘り葉掘りは聞かずに相談内容にフォーカスしやすくなります。

共同作業としての三角形の対話を作る努力と技術

対話は1対1(聞き手と話し手)の構図ですが、対話をする際に意識したいのは私とあなただけではなく「話題、テーマ(解決したいことや達成したい事など)」という第3の存在です。そうすれば、私とあなたは対立よりも協力体制を築きやすくなります。

そしてもう1つ意識したいのは対話の相手自身がテーマになるとき、相手とテーマを混同しないことです。どういうことかというと、「対話の相手としての目の前の相談者」(あなた)と「話題のテーマとして話の中に登場する相談者」(○○さん)とわけるということです。

人と人が出会うことの基礎

相談関係の土台となるのが、常識的な人と人との関係です。常識的な礼儀として、2人が平等であること、つまり社長と従業員であろうと、上司と部下であろうと、相手を見下したり敬わない態度だったら、その人に相談する気は相談する前から失せているでしょう。要は相手にとって不愉快な場にならず、気持ちのいい場になるよう配慮しましょう。

相談の目的はよりよい未来を目指すこと

相談で重点を置くべきなのは、現在と近い未来であり、現実的な目標です。うまくいかないことを話題にするときに陥る罠があります。人は『原因と結果』という考え方が身についている分、過去に目が向きがちになります。「なぜできなかったのか?」という質問は相談者を自己防衛に走らせたり、精神的に追い詰めることになります。それよりも「その経験を活かすならば、どうやれば次はできるようになるか?」と問いかける方が客観的、前向きに過去の失敗経験を捉えやすくなります。

相談を始めるにあたっての作業

今までの対処の仕方を問う

相談者から訴えを聞いたら、それに対して今までどのように対処してきたかを問うのが定石です。どうやって対処を試みたかというのと合わせて、その対処法の成功・不成功の度合いも聞きます。

<過去の対処法を聞く利点>
・相談は対処法を探す作業であることを暗に知らせる
・対処法にその人の能力と健康度を測れる
・「もっとこうしたらいいのではないか」といったアイデアや助言が湧く

このとき、相談者は自分の失敗の歴史を語ることが多いので、相手の歴史にケチをつける雰囲気にならないように配慮します。確かな相談関係ができるまでは、傷に触れない思いやりが大切です。問題解決のために傷に触れることができるのは、何らかの成功が得られて相手の自信が高まっているときです。

どうしたいのかのニーズを聞き取る

相談者のニーズは、本人が意識されている部分と意識されていない部分からなりますが、初めの作業は意識されているニーズだけを聞き取ります。「どうしたいのかわからない」「どうなったらいいのかわからない」という人も少なくないので、意識されたニーズを確立していくのが、相談の当面の目標となります。

相談歴を聞いておく

相談内容を聞いたら、次に相談歴を聞きます。過去に相談して役に立ったことや、相談が途中で終わってしまった場合はなぜ終わってしまったのかも聞きます。それが新しい相談活動の大切な参考情報になります。

継続相談を始める前の見立てを行う

①他の助力(専門家など)を要請するか否かの判定
 ⇒必要と判断したら、そのことを相談者に伝えて一緒に考える
②緊急度の判定
 ⇒相手のニーズの緊急度の切迫した部分とじっくり取り組む部分に分ける
 ⇒切迫した部分は①の他の助力を要請し、ゆっくりでいい部分は相談の領分
③相談の難易度の判定
 ⇒これによって心積もりができ、それに沿った時間の配分や面接前後の配慮

相談の中心となる聞き・語るという作業を導く観察

特に自分が語っているとき、語りの作業と並行して切れ目なく進行する観察です。相談を受ける側の正しい語り方は、相談者の顔色を窺いながら語ります。例えば「○○な点を詳しく説明してもらうと、私にはわかりやすいんだけど・・(気が進まない様子を見て取り)・・でも、大切なのは無理しないことだから今は聞かないでおくのがいいね」という感じです。

但し、見るという心の姿勢は、見られる対象との間に距離感が生まれ、一緒という雰囲気が壊れ、相手に緊張を強いることになる場合もあります。そうならないように聞くときも語るときも、イメージのやり取りをするようにします。

相談の対話でやること

聴く

①耳による観察
・相手の声を「音」の質で聴く ⇒ 相手の体調の観察
・相手の声を「鳴き声」という心づもりで聴く ⇒ 感情や気分の推察
・言葉の往復の時間経過を聴く ⇒ 相手の頭の働き具合を察する
・言葉がイメージを運んでいるか否かを聴く ⇒ 三角形の対話をする能力を測る


②ストーリーを作るように聴く
相談内容、困っていることについてのストーリーを描くように語ってもらう作業に値します。ストーリーは過去・現在・未来からなりますが、過去は現時点で想定される因果関係の図であり、未来は希望や理想が含まれてきます。

人によっては、ひたすら苦しみを語るだけで、どんないきさつで現状に至ったのか、どんな具合になることを目指しているのかを語れない人がいます。その場合は質問で誘導して、とりあえずのストーリーを作ることで、慌てふためいたり、うろたえの雰囲気が減り落ち着きが得られやすくなります。そして、そのできあがったストーリーが相談の三角形対話の最大のテーマとなります。

揺さぶる

ストーリーができあがって、一時の安定が得られたら、次にその安定を揺さぶります。揺さぶられてストーリーが少し崩れて、またストーリーが再構築されます。この揺さぶりと再構築の繰り返しの作業が、相談の基本手順となります。

<揺さぶりの方策>
①キーワード・キーフレーズの究明
 ⇒相談者の語りの中に繰り返し登場する言葉・文言に着目し、相談者に詳しく説明してもらう
  例)「納得できない」「運が悪くて」「能力がないから」

②イメージが湧かない部分を説明してもらう
 ⇒コミュニケーションのズレのすり合わせ

③共感が生まれるように聴く
 ⇒相談者のストーリーの世界に身を置いたときに、生じてくる反応に導かれておこる質問、反論、提案の投げかけ

相談者に語ることを通して、困っていることにまつわるストーリーができると、相談者の中に心の余裕が生まれて、一旦できたストーリーの細部に注意や疑問を向けられるようになります。

関わりの心得

自然体での助力

相談を受ける側は日常生活で得意としている助力を核にし、支援します。例えば、励ますのが得意な人は励まし、相手の気持ちに波長を合わせるのが得意な人は寄り添い、アイデアを出すのが得意な人は提案することです。

相談を受ける側にとって何より大切なのはフランクさです。日常生活でフランクでないのが私の本来の姿という人は、不自然なフランクさを演じるよりも、自然体で振る舞う方が自然で誠実です。

深く知る

①相談は「対話」を通して、認識の深まりで事態の解決に近づけようとする営み。

②相談者が知る作業の助けになるのが、相談者が知っていて、相談相手にも知ってほしいと願っていることを知ろうとすること。

③ストーリーが完成した後の、突っ込んだ揺さぶりは、行為や出来事と思いや感情とを並行して質問する。
⇒行為や出来事が語られたら、「そのとき、どんなふうに感じましたか?考えましたか?」
⇒思いや感情が語られたら、「それで、どんなふうにしたんですか?」

相談を受けた側の問いかけが、相談者の内的認識の領域が広がる方向への助力になります。この問いを続けていくと、相談者の人としての特徴が浮き出してきます。

相談・支援を継続的に行う際は、相談者が「見守られている」という感覚を維持できるように、前回の相談の終わりの状況を次の相談時にありありと思い出して語ることも効果的です。


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