能力開発|目標管理面談(MBO面談)にコーチングを活用する ②使えるツールと面談のポイント
2024/12/19
前回に続いて目標管理面談でのコーチング活用についてご紹介します。
面談は「面会して直接話す」という社内コミュニケーションの重要な場であり、目的のあるコミュニケーションに有効なコーチングスキルを活かせる機会であります。面談は上司の考えを伝える場でもありますが、まずは部下の話を聴き、今の状況をどのように捉えているのか、これからどうしていきたいのか、それには何が障害や気がかりになっているのか、を問いかけ、それに合わせて共感や承認をしたり、上司から部下がどのように映っているのかのフィードバックをするなどの双方向のコミュニケーションが求められます。
よって、
・傾聴(バーバル、ノンバーバル、ペーシング、共感と関心)
・質問(オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンなどの使い分け)
・承認
・フィードバック
・提案・要望
などのコーチングスキルを身に付けておくことと面談の質がぐっと高まります。今回は面談で有効なツールをご紹介します。
コーチングフロー
またスキルだけでなく面談の流れも予め戦略(フロー)を立てておくと「この時間何しゃべっていたっけ」という脱線することがなくなりますし、面談の目的を果たすことができます。
<MBO面談でのコーチングフロー>
1.面談のセットアップとアイスブレイク
2.扱う目標の確認と明確化
3.現状の明確化
4.望ましい状態の明確化
5.ギャップの明確化
6.具体的な行動の決定
7.面談の振り返り
8.フォローの決定
具体的なことは別途詳しくご紹介する予定です。
<面談に臨む前のフロー>
上司(面談者)が面談に臨む前のフローがあります。
・マネジメントで面談に取り組む意味を明確にする
↓
・1つ1つの面談に臨む目的を明確にする
↓
・面談の目的を満たす方法を見つける(自分に問いかける)
↓
・面談の目的を満たすスキルやツールを準備する
私の場合、社外コーチなので上司と部下間のMBO面談ではなく、離職防止や職場の問題解決を目的としたフォロー面談、メンタルケア面談を行うことがありますが、被面談者との面談が2回目以降の人は前回までどんな話をしたかを確認して臨むようにしています。
アセスメント
アセスメントと聞いてピンとこない人もいるかもしれませんが、いわゆるチェックシートです。その人が組織に求められる望ましい考え方や能力、態度・行動をチェックリストにし、部下の現状の棚卸しに使えます。ちなみにチェックリストは会社の行動様式(コアコンピテンシー)や例えば自社の営業方針で定められている営業社員の心構えといった予め出来上がっているものでもいいですし、MBO面談スタート当初に面談で上司と部下が一緒に考えてリスト化したセルフアセスメントならその人にマッチし、本人の意識もより高まるためより効果的です。
使い方は、リストの項目1つずつをまずは自由に話し合うことが有効です。項目を全部満点にする、という指導ではなく、様々な視点から話を聴くことで部下が自分自身を客観的に振り返ることができるようになります。
<セルフアセスメントの例>
1 | 後輩や上司から頼られている | |||||||
2 | 逐一、聞かなくても発注・見積が出せる案件を増やしている | |||||||
3 | 心と体のバランスを考え、週一日は定時で帰っている | |||||||
4 | 自分に付くお客様を増やしている | |||||||
5 | 各工場とのコミュニケーションを密にとっている | |||||||
6 | 原価を意識した発注(値交渉等も)をしている | |||||||
7 | 現場での対応力をアップしている | |||||||
8 | 自信を持って説明ができている | |||||||
9 | ある程度の余裕を持って仕事をしている | |||||||
10 | 率先して情報共有できる環境を作っている |
MBO面談>目標設定をする場合
目標設定をする面談において課題となるのが下記の3つです。
・部下の目標に対するやる気をどうやって高めるか
・部下の持つ目標の達成水準をいかに適切に設定するか
・設定された目標に向かう行動イメージをいかに部下とともにつくっていくか
目標設定面談をする前提として、組織から提示するガイドラインについての理解や同意を部下から得られていることが必要となります。理想は、組織方針とそこから導かれる部下のミッションについて、個別面談の前に本人が理解している状態が望ましいです。
MBO面談>成果確認をする場合
成果確認面談をどのように構築していくかは、次の2パターンで分かれます。
①部下の成果が思わしくなかった
②部下が目標を達成した
①の場合、フィードバックを伝え、次期の目標設定に向けた足場づくりや成長や行動への承認などに焦点を置くことが有効です。
②の場合、達成プロセスを振り返り、有効となった強みを明らかにすると、成功体験が今後に活かせる学びとなります。
目標を達成できたか否かに関わらず、部下の成長サイクルを回すことこそ、成果面談で上司は意識したいところです。ポイントは成果だけではなく、部下の成長に関心を持つことです。そして上司は部下を常に応援し続ける態度を示し、面談のときだけではなく日々のサポートを継続的に行うことが最も大事なことです。
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