能力開発|目標管理面談(MBO面談)にコーチングを活用する ①面談の目的と関わり方
2024/12/13
会社の業績アップと合わせて社員の能力開発、成長促進に取り組まれている企業が多いと思います。そのような企業で導入されているのが目標管理制度(MBO=Management By Objectives)ですが、うまく機能している企業はどのくらいいるのでしょうか。機能していないとしたらその1つの理由として考えられるのが、上司による部下への面談です。そこで、面談の意義やコーチングの効果的な活用についてご紹介します。
面談の意義
まず面談とは辞書によると「面会して直接話すこと」とあります。直接話すと言えば対話も同じです。では面談と対話の違いは何なのか?が気になり調べてみたところ、
<面談と対話の違い>
・面談…面談者と被面談者が主従関係にある
・対話…面談者と被面談者が平等、対等にある
ことがわかりました。
コーチングはコーチ(コーチする側)とクライアント(コーチングを受ける側)の両者が対等であり、どちらかが教える、教えられるという関係ではない点から対話がベースです。なので面談にコーチングを活かすということは、主従関係がある中でも部下が主体的に考え、それを上司が成長に必要な視点を提供するなどフォローしていくということになります。ですから、上司と部下の間に信頼関係があり、部下や組織が成長し、目標が達成できているのであれば面談は行わなくても問題はなく、面談は目的ではなく手段なのです。
面談の特徴
組織内で行われている面談にはMBO面談の他に、人事評価面談、新入社員向けのフォローアップ面談、キャリア面談など用途別にありますが、どの面談も面談者一人当たり30分程時間を取ります。このわざわざ時間を取って、しかも目的が明確であることから、普段の会話ではできないことができるという利点があります。
<日常会話ではできないこと>
・相手に自分の本音を伝える
・相手への期待を伝える
・相手を知る
・伝えた方針に対する十分なコミットメント
・未来のこと
・緊急性は低いが重要な相談
・安心感
・認識の共有
・創造的なアイデアのアウトプット など
その上で、面談を通じて組織と部下の成長を実現するために面談では、信頼関係の構築、目標の確認、日々の活動の軌道修正、部下の意欲向上を実現させていきます。
MBO面談の目的
組織の目標達成、部下の成長促進を目的とした面談の場合、組織や部下の状況に応じてその面談の中で何を行うかを予め戦略を立てておくと面談が効果的なものになります。
<主な目的>
・信頼関係を構築する
・ビジョンや目標を共有する
・明確に指示を伝える
・言葉の解釈をすり合わせる
・相手を知る
・自分を知ってもらう
・部下の意欲を高める
・部下を承認する
・自分へのフィードバックをもらう
・相手にフィードバックを伝える
・相手への期待や要望を伝える
・相手に行動イメージをつくらせる
・リソースを明らかにする
・互いの対話から発想を創造する
面談の目的、ねらいが明確になったら、それを実現する方法も事前に自問自答し考えておきましょう。例えば、「部下にフィードバックを伝える」という目的があるならば、「部下にどんなフィードバックを伝えたいか?」「なぜそれを伝えたいのか?」「伝えることで部下がどのように成長することを期待するのか?」という具合に準備しておくことで、面談での質問の質が高まります。
面談での上司の立ち位置
面談における上司の役割も幾つか選択肢があり、それによって話の聴き方や関わり方も多少変わってきます。
1.上司
組織上のポジションパワー(主従関係)に基づいた関わり。そのため、傾向としては部下の話を十分に聴くよりかは「指示、アドバイス、期待」などを伝えるコミュニケーションになります。
2.コーチ
組織上のポジションパワーを前提とせず、社内コーチとして部下の成長促進や目標達成といった部下に焦点を当てていく関わり。コーチから「質問、フィードバック」をするが、話す主体はあくまで部下になります。
3.対話のパートナー
互いの間に共通する「問い」を設定し、その問いに対して両者が自分の意見を交互に伝え合う関わり。互いを知ると同時に創造性のあるコミュニケーションにつながる機会となるため、相互の学びや気づきが得られやすくなります。
対話のパートナーの例を挙げるとしたら、私が社外取締役を務めている会社の社長との打合せがちょうどこれに当てはまります。面談でもなければコーチングでもなく、その会社の現状と課題を共有し、この先に描いているビジョンを実現するために何が必要かを話をしながら、整理していく時間を月に1,2回持つようにしています。社長の予定が後ろに詰まっていないときは気が付くと3時間に及ぶことが多々あります。ワンマン社長タイプであれば部下と意見交換するようなコミュニケーションはしないでしょうが、まるでどちらの服を買おうか迷っている時に店員さんとしゃべりながら決断するように、何かを決めるときはとくに話の聴き役が欲しいはずです。その相手がまさに対話のパートナーです。
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