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事業計画を立てるためのコミュニケーションとツール

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事業計画を立てるためのコミュニケーションとツール(前編)

事業計画を立てるためのコミュニケーションとツール(前編)

2024/01/26

中小企業に訪問し管理職対象の目標達成やそれに必要なコミュニケーションなどのコーチングや研修を行います。すると、概ね2つのうちどちらかができていません。1つは事業計画を毎年しっかりつくりミッションもビジョンも共有していても対話がなく、主体性が発揮できていない組織。もう1つは和気あいあいで社長も若手も関係なく日常的に会話が多く風通しがいいものの組織の目標が曖昧で、いわゆる‘ゆるい会社’になってしまっている。

 

つまり、組織の目標達成・問題解決や社員の育成・成長促進には、計画・目標だけではダメだし、コミュニケーションだけでもダメということです。そこで今回は4月からの新年度に備えて事業計画を作っていく際のポイントをご紹介します。

 

 

事業計画づくりでの問題

事業計画とは経営理念を実現するために問題・課題を棚卸し、どんな準備でどんなルートでゴールに進むかを考えることです。富士山に登る際、経験者でも無計画で登る人はいません。山頂に辿り着くための情報収集や体力づくり、ルート選び、本番当日の気象情報、持ち物はもちろんですが、登るメンバーによっては日帰りor山荘泊、ご来光を何時にどこで見るか、そもそもそのメンバーで富士山に登る意味が何なのか、それによって登り方は変わるでしょうし、登ることで何を得るかによってもモチベーションやテンションは違うでしょう。まして、それらの計画をリーダー1人が決めるとどうなるでしょうか?いろんな問題が出てくるのが想像つきます。

 

✕ 事業計画を社長1人が作成。そのため独りよがり、社員が他人事になりがち

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○社員を巻き込んで一緒に作成。人は自分が関わったことは責任を持ってやり通す

 ⇒達成の確率が高くなる!

 

 

事業計画を立てるためのコミュニケーション

 

では、次に社長1人ではなく、多くの人と事業計画を考えるならば、何人でどのような場所で考えるといいのでしょうか。

 

✕会議で社長はじめ10名から20名の管理職や現場リーダーを集めて話し合う

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○ミーティングで社長はじめ多くても6名の現場のことも知っていて数字も見ている主要メンバーを集めてブレーンストーミングを行う

 

自由に全員が話ができ、話が聞けるキャパが6名です。人数が多いと「誰かが考えてくれる」からと考えなくなるのと、同じ社内の人間ならばだいたい考えることが似たり寄ったりし、参加者が多い=アイデアが多い にはならないからです。よって、3名から6名が理想です。私がグループコーチングを行う際もその人数でおこなっています。

 

<アイデア出し>

それから、ブレーンストーミング(ブレスト)はご存知の人が多いので言葉の意味は割愛しますが、ミーティングの目的はアイデア出しです。事業を成長し続けるには今の時代、変化に対応することであり、今までとは違うこと・違うやり方をおこなう(行動変容)ことが不可欠です。そのアイデアを考えるには、話し合いの場が自由な発言ができることが最も大事です。「そんなことできるわけがない」と言ってしまえば、脳がフリーズするだけです。むしろブレストには「そんなバカな」と笑えるくらいの意見が出てくるくらいがグッドです。

 

富士登山の例でいえば、一般的に富士山は車で5合目まで上がり、5合目から歩いて山頂を目指しますが、私がリーダーを務めたサークルでは0合目からの富士登山に挑戦しました。それが無事達成できたのは半年以上前から計画を立てたからであり、近くの山を幾つか登ったり山登りの楽しさや登山だけでなくツアーにいろんな面白さを用意し、メンバーのモチベーションを維持し続けることができたからです。アイデアの否定や批判、評価は一切しないで質より量で「それ面白そうだね」という意見をどんどん出してみましょう。

 

<アイデアをまとめる>

たくさんのアイデアが出尽くしたら、次は何を選択し、どう計画に落とし込むかです。そこも話し合いになるわけですが、散々アイデア出ししたのに結局はトップが最初から決めていたことだったり、無難なものであれば計画を実行する前にシラケてしまいます。かと言って現実的なものではなかったプランを実行・継続できないものであれば絵に描いた餅になるだけです。

 

そこで話し合いのメンバーは、4つのコミュニケーションタイプのメンバーが揃うことが理想です。

1)コントローラー:結果を出すことにこだわる

2)プロモーター:自由でユニークな発想を持ち面白いことを好む

3)サポーター:みんながうまくいくようにサポートする

4)アナライザー:客観的に物事を見、計画を立てそれを達成するまで継続する

 

どのタイプもいい所はあるし弱点もあります。その弱点を補い合いながら、いい所を活かしていくとアイデア→実行→継続→計画達成というシナリオを描きやすくなります。

 

 

創造性のある会話

ブレーンストーミングという言葉は以前からビジネス用語として存在していますが、理想はわざわざ、「この時間はブレストしよう」とあらたまってするのではなく、普段から自由に発言できるコミュニケーション文化やマネジメントスタイルであることです。コロナ禍で一般的に使われるようになった言葉である心理的安全性はメンタルヘルス的にもワークエンゲージメント的にも不可欠であり、生産性や創造性につながる要素の1つです。

 

私たちが職場で自由に話をしているシチュエーションを思い浮かべてみましょう。それは雑談しているときです。下図の左端に「人間関係維持型」とありますが、普段の雑談や職場の飲み会、イベントでのコミュニケーションです。これらは仕事に直結していないからであり自由なムードがあります。反対に下図の右端の「情報伝達型」のシチュエーションは日常の報連相や会議に該当します。自由なムードはなく真剣であり、人と人同士のコミュニケーションではなく上司と部下、社長と社員といった利害関係があり時には忖度が働く緊張感のあるコミュニケーションが交わされます。

 

「人間関係維持型」の自由なムードでありながら「情報伝達型」の真剣な話をするコミュニケーションが上図の真ん中にある「対話型」コミュニケーションです。このコミュニケーションが日常的にいろんなシチュエーションでできる組織を想像してみましょう。社員がイキイキと働いている絵が浮かんでくるでしょう。普段それができないのに社長が「じゃあ、今から思っていることを何でも言ってごらん」と言っても、社員は自由に発言できるわけがありませんし、社長とは違う意見を言ったとしたら、おそらく社長はその意見に対して対応ではなく感情的に反応してしまうでしょう。

 

「対話型」コミュニケーションが組織内でできるようにするには、立場・役職関係なく雑談ができる関わりの場を設けると同時に、社員を信頼し社員の話を聴いてあげることです。ある会社では上司が部下に「悩みは何かないの?」と尋ね、部下が「とくにありません」と答えたら「悩みがないのは何かにチャレンジしていないからではないのか」と責められたという例がありました。これでは話を聴いたにはなりません。まずは共感し部下の言葉を受け止めることが大事です。

 

あなたは部下とのコミュニケーションはドッジボール型かキャッチボール型のどちらですか?

 

そして部下によって違うなら、その違いは何から起こっているのか考えてみませんか。

 

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