管理職育成|組織・チームを動かす力を身に付けるには
2023/07/06
中間管理職の研修を企業で行う際、事前の受講者ヒアリングで出てくるお悩みの多くが「どうやったら部下が動いてくれるか?」です。このご時世「やれ!」と一言で指示を出せないし、価値観も世代が異なれば違います。1on1ミーティングは部下の話に耳を傾けて心理的安全性を高め、自信とやる気を高め、自らコミットメントするコーチング的アプローチが部下が自ら動くようになる1つの手法です。が、今回はもう1つ上のレベルである組織・チームを動かす力を高める方法について紹介します。
役職・役割による求められる力
管理職の階層は大きく3つがあります。
1つ目はファースト・ライン・マネジメントと言われる最前線の現場責任者や課長、係長のポジションで、中小企業ならばプレイヤーの比率が高めのマネジメント、いわゆるプレイングマネージャーの階層です。このレベルは自分を動かす力は当然のこと、人を動かす力が求められます。リーダー自身がお手本となり動くことで部下のロールモデルになります。
2つ目はミドル・マネジメントでマネジメントを主とした各部門・部署の業務計画設定や管理を行うポジションです。1つ目のマネジメントが部下との関わり、コミュニケーションが重要であるのに対し、こちらは仕組みと他部門・他部署との調整業務が必要になります。
最後の3つ目はトップ・マネジメント、経営者層のマネジメントです。ミドルは中期的・戦術的な職能に対し、全社的・長期的・戦略的な職能が必要になり、組織を動かす力が求められます。
階層 |
担当職 |
職能 |
トップ・マネジメント (経営者層) |
社長以下 取締役 |
経営活動の総合的統括を行う 〔全社的・長期的・環境適応的・戦略的〕
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ミドル・マネジメント (中間管理層) |
部長、次長支店長 |
各部門の業務計画設定と管理 〔部門的・中期的・業務執行的・戦術的〕
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ファースト・ライン・マネジメント (現場管理層) |
課長、係長 |
直接現場の指揮・監督 〔現場的・短期的・内容効率的・技能的〕 |
中間管理職が身に付けたい「巻き込む力」
仕事に必要な専門的技術・スキルを持っている人がいざ管理する立場になったときに壁にぶち当たるのが、部内調整やトップからの指示や情報の下への降ろし方です。つまり周りとの関係構築と情報共有です。ミドル層を通らずにトップと最前線との間だけで業務遂行されることは皆無ですから、ミドル層が機能しないと元も子もありません。それだけミドル層は重要なポジションです。
機能するミドル層になるためのトレーニングとしておすすめなのがプロジェクトやタスクフォースの事務局、あるいは業務上でそういう機会がなければ懇親会などの社内行事で幹事を引き受けることです。私自身、会社組織に属していた頃、唯一の女性プロジェクトメンバーということもあり他部署や社外との調整、いわゆる事務局兼企画を担当することが多く、そこで根回しやらある人の力を借りるなど自然と調整力と巻き込む力を身に付けることができました。
後継者育成の事例紹介
愛知県のある製造会社が全社的に健康経営に取り組むことになりました。その際に健康経営の担当者に抜擢されたのが数年前まで他社で社会経験を積んできた社長の息子さんであり後継者です。今のところ現場の仕事を覚えようと一社員として働いているわけですが、社長からのご指名で健康経営の担当者になった息子さんはこれを機に社内の健康づくりの取り組み、イベントなどの取りまとめをするために今まで以上に全従業員とコミュニケーションを取る機会が増えました。1つのイベントを行うのに社長、従業員、あるいは取引先との調整が必要になりますが、嫌な顔せずに楽しく健康づくりに励んでいます。従業員の健康づくりは通常業務ではありませんので負担はかかりますが、いわゆる面倒なこと、他の人がやらないことを進んでやっていくうちに自然と自分と人、さらには組織を動かす力を身に付けていっているように感じます。
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