人的生産性を高めたい経営者の方必見!職場での運動効果と実践
2023/01/19
作家の村上春樹さん、京大の山中伸弥教授、そして脳科学者の茂木健一郎さんの共通点は何だと思いますか?
答えは、3人とも長年ジョギングを習慣にしている ことです。仕事のジャンルは全く異なるもののそれぞれの世界でご活躍され実績を残していらっしゃいます。その要因に頭がいいとか才能があるといういわゆる持っている能力が大いにあるとは思いますが、実は日常のジョギング、つまり有酸素運動が知的活動を司っている脳に好刺激を与え、パフォーマンスを最大化させていることが最近の研究で明らかになっています。脳科学者の茂木さんがそのことをわかった上で走っているわけですので、間違いありません。
職場で運動を取り入れるメリット
すでに健康経営を実践している企業もあるかと思いますが、私はその中でも職場で実践していただきたいと経営者におススメするのが運動機会の促進・増進です。理由は大きく3つあります。
<運動でもたらす脳への効果>
・集中力・記憶力・学力の向上
・ストレスや不安の解消などメンタルヘルス不全の予防
・創造性アップ
なぜ集中力・記憶力・学力が向上するのか
アメリカのある高校の1クラスの生徒の多くが肥満もしくは肥満気味になっているため、授業開始前に30分の軽いジョギングをするようになりました。すると、減量の効果以上に同学年の他クラスの比較し学力がアップしたことがわかりました。運動、とくに有酸素運動(時速9㎞程度、スロージョギング®)をすることによって脳の前頭前野の部分が活性化し、ワーキングメモリーが大きくなります。また神経伝達物質のドーパミンが増加することで集中力がアップします。デスクワークの仕事なら尚更です。座位時間が6時間以上になると仕事の生産性に影響を与える活力や熱意、集中力が半分に低下します。その場合は90分に1回、5~10分の軽運動をすることで集中力を回復させることができます。
なぜメンタルヘルスに効くのか
最近の職場で見受けられるのが、どの会社にもメンタルヘルスの不調者が少なくとも1人はいることであり、その予備軍が全体の2,3割もいるということです。予備軍というのがストレスレベルが高い状態です。ストレッサー(ストレスの原因)が職場の人間関係だったり仕事の量・質によるものもあります。また、職場や仕事以外ではウィズコロナ生活が3年続き、一見慣れたようでも実はじわじわとストレスが蓄積したり、物価高や円安といった経済状況悪化で生活の不安もあるでしょう。トラブルや不安を解消するには休日に仕事を忘れて好きなことをするといった息抜きが必要なことはもちろんのこと、ウォーキングやジョギングといった有酸素運動でストレス物質のコルチゾールをコントロールし、海馬のストレスブレーキが働くようになり効果的です。ハイキングで山頂に登ったら悩みが吹っ飛んだり気分が晴れ晴れとするのがまさにそうです。でも気分というのは短期的なものです。1週間の中で気分が上がったり下がったりしますし、1日の中でもジェットコースターのように気分は変わります。暗い気分で仕事をするのとポジティブな気分で仕事をするのとではどちらが楽しく生産性が上がるかと言えば、言わずもがなです。よって、職場で運動することは運動不足解消だけでなくその日気分よく働くためにも望ましいことなのです。
なぜ創造性がアップするのか
創造性がアップするとは、大量の情報から発散的思考や収束的思考、例えば思いつく、ひらめく、直感が働くといったことであり、いいアイデアが湧いてくるということです。創造性も集中力と同じドーパミンが関係しています。会議室で企画会議をするものの、これぞというアイデアが出てこないことはよくある話です。これは自由に思ったことを発言できる場かどうかという心理的安全性も関係していますが、座っている状態が脳の創造性をオフにしていると考えることができます。アップル社の創業者スティーブ・ジョブズは歩きながら考えたという話は有名ですし、歩きながらのプレゼンも脳を活性化させ自分が話したいことをしっかりアウトプットするための術だったでしょう。では、職場にトレッドミル(ランニングマシン)を置いて休憩時間に10分走ると創造性はアップするでしょうか?実はそれだけではあまり効果はありません。創造性をオンにするには移動することが大事です。変わる景色を目にしたり、自分がいまどこを走りどうやって戻るかなど走ることに集中しそれ以外のことは考えない、つまりぼーっと走ることで脳のデフォルトモードネットワークが働き、茂木さん曰く「ぼーっと走っているうちにアイデアをひらめいたり、次にやるべき取り組みが明確になったりする。脳をオフにする時間を持つことで、大事なことが見えてくる」ということです。
人的生産性アップにつながる職場での運動法
ムリなくやりやすいことから始めていくことが大事ですし、職場の仲間が一緒に行なうことがポジティブな気分や心理的安全性を高めるのに有効です。
・通勤で20~30分歩く(例:最寄り駅の1つ手前で降り1駅分歩く)
・朝礼や昼礼でラジオ体操もしくはスロージョギング(3分~5分)を行う
・90分に1回(10分)休憩時間を取り、トイレへ行くついでに職場内や会社の周りを歩く
・小人数のミーティングなら外へ出て散歩しながら行う
・ハイカウンターやスタンディングデスクで作業する(立って仕事をするのも座りっぱなしよりも生産性アップ)
など
弊社は健康管理士やメンタルヘルス・マネジメント検定マスター、日本スロージョギング協会認定指導者の資格を持つ健康経営コーチがいますので、社内健康セミナーや健康経営認定取得の支援のご相談、健康づくりのコーチングなどを承っています。
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