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失敗してもめげない部下を育てるコツ

失敗してもめげない部下を育てるコツ

2022/07/29


つい先日、NHK総合テレビ『プロフェッショナル』という番組で、リアクション芸人の出川哲郎さんが番組最後のお決まりの質問「プロフェッショナルとは?」に対してこう答えました。「プロフェッショナルとはぶれないこと。自分の好きなことをぶれずにやり続けること」と。世間から何と言われようともずっとリアクション芸を貫いてきた出川さんだからこその言葉でした。

この言葉には、めげずに達成するまでやり抜く力(GRIT)に必要な要素が入っています。最近では仕事で上司から注意されたのを機にやる気を失ったり、転職したりする傾向が高いように思われます。「今の若い人はこうだから」と片付けるのは簡単ですが、貴重な人財の育て方・関わり方1つで人は変わるものです。

部下がめげてしまう状態とは

「努力」とは何物でしょうか? 能力なのか?才能なのか?性格(努力家)なのか? 私は意思と行動と捉えています。例えばAさんは仕事では営業成績を出すし、そのためにお客様に準備やフォローを欠かさないなど人一倍働きますが、家事は奥さんからやってほしいと言われているにもかかわらず、ちっとも1人前にできるようになりません。要は本人にやる意思があるかどうかであり、思うだけでななく実行に移すかどうかです。だから誰だって努力することはできるはずです。

では努力できない状態や途中でめげてしまう状態とはやり抜けるときとは何が違うのでしょうか。

<めげてしまう状態のあるある>
・他の事との関連性が低い(やっていることに意味づけしにくい)
・途中のマイルストーン(中位目標、下位目標)がない
・最上位の目標が存在しない
・複数の目標が対立している

「やり抜く力」をつくる遺伝子

やり抜く力とは「動機の持続性」と言い換えることができます。何かを成し遂げ世に貢献した偉大な人と普通の人の決定的な違いがまさにそこです。動機の持続性には情熱と粘り強さの2つの要素が関係しています。

<動機の持続性と関係する要素>
①情熱
・遠くの目標を視野に入れ、明確な目標に向かって努力している
・一旦取り組んだことは容易にやめないし、新しいものに飛びつかない
②粘り強さ
・一旦目標を決めたら守り抜こうと心に誓っている
・障害にぶつかっても、あきらめずに取り組む


また、やり抜く力というのは個人的な要因だけでなく環境に左右されることも少なくありません。歳をとるにつれて持続させる力が強くなったり、自分よりややスキルの高い仲間と一緒に取り組むとスキルが状態したり、育つ時代の文化的な影響を受けたりします。平成生まれ以降の若い世代はゆとり教育で育ち、社会に出てからは「辛かったら1つの会社に留まらなくてもいい」とムリをしなくていい世の中になっていたり、がんばることはどこかカッコ悪いという見方をするところもあり、何か1つのことをやり抜く機会が減っているような気がします。

人が大きく変わる条件

今の若い世代にやり抜く力をつけるにはどうしたらいいのでしょうか。本人一人でできることもありますが、上司など周りのサポートによって大きく変わることができます。

・やり抜く力の強い集団の一員になる
・周りの価値観によって本人の信念もそれと同じものに変わる
・徹底的なコミュニケーションが人を変える
・何でも試してうまくいったことを続ける
・暗唱で言葉の力を自分のものにする
・言葉遣いを変えて価値観を変える
・些細なことでも最善をつくす
・何か難しいことを1年以上継続させ、進歩を経験する

何かをやり通すことでやり抜く力を鍛えることができますし、その経験から人格も形成されるようになるため、人は幾つになっても変わることができます。

目標ではなくまず目的を見出す

どんな仕事でもそれは誰かの役に立っているはずです。これは仕事をする目的であり手段でもあります。やり抜く力の強い人は、普通の人に比べて「意義のある生き方」「他の人たちに役に立つ生き方」をしたいというモチベーションが著しく高い傾向があります。だから、やり抜く力を鍛えたい人は、自分にとって楽しいことや面白いことでもいいのですが、目的もしくは意味づけ(意義、メリット)をセットにしておくようにしましょう。

1万時間の法則

やり抜く力の強い人は弱い人よりも、何かを取り組む際に長く時間をかけ、そのことだけにじっくりと取り組むようです。例えば、バイオリニストが最上級レベルの演奏技巧の習得をするには10年以上を要し、延べ約1万時間を必要とします。楽器演奏に限らず、何かを身に付けるには約1万時間以上を要するいう法則があります。そして練習時間以上に重要なのが意図的な練習を行うことです。

<意図的な練習のポイント>
①ある一点に的を絞って、高めの目標を設定する
②しっかりと集中し、努力を惜しまずその目標の達成を目指す
③改善すべき点が分かった後は、うまくできるまで何度でも繰り返し練習する
④極度に集中するため、意図的な練習は最大1時間。その後は必ず休憩を取り、長くても1日5時間を限度とする

レンガ職人の萬話

やり抜く力の強い人は、快楽より目的の方が上回っています。部下が必死に仕事し、壁にぶち当たってもそれを乗り越え成長していくには、上司の仕事の与え方や期待のかけ方にも寄ります。


萬話ですが、3人のレンガ職人に「何の仕事をしているんですか?」と尋ねたところ、3人は同じ仕事をしているにもかかわらず答えはバラバラでした。

・1人目の職人は「レンガを積んでいます」
・2人目の職人は「教会をつくっています」
・3人目の職人は「歴史に残る大聖堂をつくっています」

同じ仕事をしているにもかかわらず、なぜ答えが違ったかというと、レンガ積みの仕事の捉え方が違うからです。1人目はただレンガを積むのが仕事と捉え、2人目はキャリアと捉え、3人目は天職と捉えることで自分の仕事がどう人の役に立っているかということを考え、誇りを持って仕事をしています。

人は変われる、成長できると信じるマインドセット

私のコーチとしての経験上、「人は変われないから」と言う人ほど自分が変わることをあきらめていたり、自分を変えようとしません。人は変われない生き物と決めつけることで自分が変われないことを正当化(他責)しているような気がします。そのような人は部下を育てたとしても、すぐ成長しなければ「やっぱりダメだわ」と努力を手放してしまいます。

部下を育てるには、まず上司自身が「人は変われる、成長できる」と部下を信じることが大切です。そうすれば、部下も自分の能力を伸ばすことは可能だと考えるようになります。

<成長志向を伸ばす承認>
「すごいよ。よくがんばった!」
「今回うまくいかなかったら、見直してどうすればうまくいくか考えよう」
「よくできた!もう少しうまくできたかもと思う所はどこだろう?」
「これは難しかったね。すぐにできなくても大丈夫」
「もうちょっとがんばってみよう。そのうちできるようになるから」


やり抜く経験はつらい経験かもしれませんが、克服できた場合は強くたくましく逆境にも強い脳をつくります。それはまるで筋肉が鍛えられるかのようにです。強い脳とは、①成長志向、②楽観的思考、③周りの力を借りる というマインドセットになっていることでもあります。


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