職場でできる食生活の改善方法
2021/03/02
食生活は個々、あるいはその人の家庭の問題と思われますが、従業員の食生活の改善に向けた普及啓発等の取り組みも健康経営の領域に入っています。
職場において、従業員が自ら正しい食事を選べるような情報提供、実践活動のポイントをご紹介します。
- ○ 食生活の重要性
- ・栄養・食生活に関する改善目標の目安
- ・食事バランスガイド
- ○ 食生活の改善のために職場でできること
- ・栄養バランスのよい食事を摂る
- ・1日3食、バランスよく食事を摂る
- ○ 具体的支援例
食生活の重要性
適切な量とバランスのよい食事は、生活習慣病予防の基本の1つです。代表的な生活習慣病である、高血圧、脳卒中、心臓病といった循環器疾患や胃がんは塩分の過剰摂取により発症リスクが高まることから、塩分量を適正に調節することが大切です。また、十分な量の野菜や提供の果物の摂取は、がんや循環器疾患等の発症予防に効果があります。
ところが、現在の日本人の食生活をみると、塩分の摂取量は過剰摂取の状況にある一方、野菜・果物の摂取量は、目標量に達していません。また、若い世代ほど外食や弁当・惣菜などの中食の利用割合が高く、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスのよい食事摂取ができていない傾向があり、さらに、朝食の欠食率も男女ともに20歳代で最も高く、若い世代ほど食生活の課題がみられます。
栄養・食生活に関する改善目標の目安
厚生労働省は平成12年より21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」を策定しており、生活習慣の改善による生活習慣病の発症予防対策を強化しています。
栄養・食生活に関する目標の1つに、「適切な量と質の食事をとる者の増加」があり、2022年度目標(20歳以上)を下記の通り設定しています。
①主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日のものの割合増加(目標80%)
②食塩摂取量の減少(目標8g)
③野菜摂取量の平均値の増加(目標350g/野菜一皿プラス)
④果物摂取量100g未満の者の割合の減少(目標30%)
食事バランスガイド
食生活改善を具体的な行動に結びつけるものとして、食事の望ましい組み合わせやおおよその量を簡単に把握できる「食事バランスガイド」というものがあります。
これは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安を、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の料理区分ごとにイラストでわかりやすく示したものです。
このガイドを基に、生活習慣病予防の観点から、男性肥満者、単身者、子育て世代といった対象者別パンフレットや、毎日の食生活のバランスをチェックできるブック、地域でとれる農産物や食文化など地域の特性を生かした「地域版食事バランスガイド」の紹介など、幅広い取り組みのサポートもあります。
食生活の改善のために職場でできること
事業者は、労働者自らが適切な量と質の食事を選択できるようセルフケア能力を高めるための企画や実践に取り組むことが大切です。
一方、勤務形態や作業内容などが食生活に影響することが指摘されており、労働者が健康的な食生活を実践しやすい環境づくりの観点から、働き方の見直し、就労環境の改善を図ることも大切です。
栄養バランスのよい食事を摂る
必要な栄養素をバランスよく摂取するためには、いろいろな食品を組み合わせて食べることが重要です。メニューを決めるときは、主食(ごはんやパン)と主菜(肉や魚などのおかず)だけでなく、副菜(野菜を使ったおかず)も加え、さらにいろいろな食品を使っている料理を選択するようにしましょう。
1食でいろいろな食品をとるのが難しいときは、1日単位でバランスを考えます。例えば、お昼に野菜が十分とれない日は夜に野菜を多めにとる、同じ料理が続いた次の日は別の食品を使った料理を食べるなど、1日単位、1週間単位でバランスのとれた食事をとるよう工夫しましょう。
1日3食、バランスよく食事を摂る
朝食を抜くと、以下の理由から労働と健康の両方に影響を及ぼす可能性があります。
・低血糖状態となり、心身の活動が抑制されることによって
作業効率が低下する
・空腹状態が続くことで、脳が飢餓状態であると認識し、
非常時に備えて志望合成を促すため、太りやすくなる
・必要な栄養素が十分にとれなくなり、栄養バランスが
崩れやすくなる
長時間労働によって帰宅時間が遅くなると夕食と就寝までの時間を十分確保できなくなります。これは睡眠の質の低下を招き、心身の疲れが抜けづらくなったり、翌朝の欠食につながり、労働生産性に悪影響を及ぼします。
このほかにも朝食をとらない背景として、夕食をとる自国の不規則さ、夜食や間食をとることなど、1日全体の食生活のリズムの乱れがあります。健康的な食生活の実践のためには、仕事とのバランスをとりながら1日の食事を自分なりのリズムで規則的にとり、生活リズムを作っていくことが大切です。
しかし、労働時間管理は従業員個人の努力だけでは改善が難しいため、事業者によるノー残業デーの導入など、残業時間を削減するなどの労働環境改善への取り組みも重要です。
最近は、朝食をきちんととり、体調を整えて仕事への準備性を高められるよう、社員食堂などで朝食を提供する企業もあります。このような取り組みは、朝食を欠食しがちな若年層が規則的な食生活のリズムを形成していく支援としても、効果的な施策といえます。
具体的支援例
・就労世代の食生活上の課題やリスク、企業が食生活改善の取り組みを
行うメリットを説明する
・従業員自らが適切な量と質の食事を選択できる取り組み例を提示する
-「食事バランスガイド」の素材集を活用した情報発信
-社員食堂でのヘルシーメニューの提供
-健康に配慮した仕出し弁当などの利用促進
-社内の自動販売機飲料を低糖・低カロリーもしくはお茶や水に変更
-朝食の提供(朝食欠食対策)
-栄養士や保健師などによる食生活指導の機会の提供
・同規模・同業他社の実践例に関する情報を提供し、実践計画の具体化
を促す
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