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社員が病気の治療を続けながら働くための支援策

社員が病気の治療を続けながら働くための支援策

2021/02/12


健康経営有料法人2021(中小規模法人部門認定基準)の適合基準の選択項目の1つに『病気の治療と仕事の両立支援』があります。

これは【健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲージメント】につながる取り組みとなります。

体制(相談窓口)と両立を可能とする制度・ルールの整備

治療と仕事の両立における困難も必要な配慮・支援も個々のケースで異なるため、上司・同僚、主治医、産業医などの関係者が必要な情報・意見を出し合い、よく話し合って配慮・支援について決めることが重要です。

<参考>
厚生労働省の「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」

病気の治療と仕事の両立支援が必要とされる背景

医療の進歩によって、がんのようにかつては不治の病とされていた疾病においても生存率が向上し、治療も入院日数が短縮して外来通院が増える傾向にあります。

それによって病気になっても治療をしながら仕事を続けられる可能性が拡大しました。

また、少子高齢化によって労働力人口の減少と高齢化が進んでおり、高齢労働者が増加すれば当然何らかの慢性疾患に罹患する労働者が増えることが見込まれます。

こうした社会背景の先には労働人口が減少し、かつ働いている人も病気によるプレゼンティーズム(生産性低下)が増加することが予測されることから、病気を持っていてお、安心して意欲的に働ける会社・社会を作る必要性が高まっています。

病気の治療と仕事の両立支援の法律における位置づけと、健康経営における位置づけ

労働安全衛生法上では、事業sy差による労働者の健康確保措置として健康診断の実施および医師の意見を勘案して必要があると認めるときは就業上の措置を行うよう努めることを求めています。

また、同法および労働安全衛生規則では、事業者は「心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のために病勢が著しく憎悪するおそれのあるものにかかった者」の就業を禁止することを求めています。

これらは労働者が業務に従事することで、疾病に罹患したり、疾病が悪化したりすることを防止するよう求めているものであり、まさに「病気の治療と仕事の両立支援」はこの健康確保措置の1つと考えられます。


また、2013年に制定された障害者差別解消法と同年に改正された障害者雇用促進法では、事業者に対して障害者への合理的配慮の提供が求められています。

この合理的配慮とは、採用後においては、障害者と障害者でない人の均等な待遇の確保または障害者の能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するための措置のことをいいます。

この法律上の合理的配慮の対象となる障害者には、病気等により一時的に職業生活に制限を受ける方や、就業可能な職域の範囲、就業の難易度等からみて障害の程度が軽く、就職等にあたってのハンディキャップとならないような方は該当しないとされていますが、「病気の治療と仕事の両立支援」に取り組んでいる間にも途中で障害を生じる場合もありますので、事業者に求められる法的責任として知っておく必要があります。


病気による一時的なハンディキャップがある従業員でも、障害による長期にわたるハンディキャップがある従業員でも、その病気や障害の種類や程度にかかわらず安心して意欲的に働ける会社を創ることで、継続的な人財の確保や定着、生産性の向上、多様な人財の活用による組織や事業の活性化などが達成され、かつその先にある従業員と会社、そして社会の持続的な発展につながると考えられます。

病気の治療と仕事の両立支援の流れとポイント

ご縁に感謝

病気に罹患し、その治療を受けながら働く上では、さまざまな困難が生じます。

<両立する上での困難>
・入院や通院、療養のための時間の確保
・疾病の症状や治療の副作用、障害等による業務遂行能力の低下
・疾病の症状や治療の副作用、障害等による業務遂行上の安全衛生リスクの上昇 など

また、それらに対する会社による支援の方法もさまざまな選択肢があります。

<両立支援の選択肢>
・休暇制度(時間単位の年次有給休暇、傷病休暇など)
・業務負担軽減
 -勤務制度(時差出勤、短時間勤務、在宅勤務、試し出勤など)
 -就業措置(就業場所の変更、作業の転換、労働時間短縮、深夜業の回数の減少など)
・職場環境や作業方法に対する配慮(ツールの使用、休憩場所の確保など)
など

そして、病気の種類によって働くうえでの困難は異なり、さらに仮に病名が同じ場合であっても、従業員一人一人の状態や業務内容、職場環境などによって、必要かつ適当な支援は異なり、多様で個別性が高いものです。

そのため、病気の治療と仕事の両立支援を進めるうえでは、従業員本人を中心に上司・同僚、人事労務担当者、主治医、産業医などの関係者が連携して、合意形成することが大切です。

そしてそれを可能とするために社内の環境整備も必要です。

<両立支援を行うための環境整備>
①事業者における基本方針等の表明と労働者への周知
②研修等による両立支援に関する意識啓発
③相談窓口等の明確化
④両立支援に関する制度・体制等の整備
 ア)休暇制度、勤務制度の整備
 イ)労働者から支援を求める申出があった場合の対応手順、関係者の役割の整理
 ウ)関係者間の円滑な情報共有のための仕組みづくり
 エ)両立支援に関する制度や体制の実効性の確保
 オ)労使等の協力

<両立支援の進め方>
①両立支援を必要とする労働者が、支援に必要な情報を収集して事業者に提出する
②事業者が、産業医等に対して収集した情報を提供し、就業継続の可否、就業上の措置および治療に対する配慮に関する産業医等の意見を聴取する
③事業者が、主治医および産業医等の意見を勘案し、就業継続の可否を判断する
④事業者が労働者の就業継続が可能と判断した場合、就業上の措置および治療に対する配慮の内容・実施時期等を事業者が検討・決定し、実施する
⑤事業者が労働者の長期の休業が必要と判断した場合、休業開始前の対応・休業中のフォローアップを事業者が行うとともに、主治医や産業医等の意見、本人の意向、復帰予定の部署の意見等を総合的に勘案し、職場復帰の可否を事業者が判断したうえで、職場復帰後の就業上の措置および治療に対する配慮の内容・実施事項等を事業所が検討・決定し、実施する


まず、両立支援を進める前提として大切なことは、従業員本人が主治医の指示に基づいて治療を受けること、適切な生活習慣を守ることなど健康の自己管理に努めることです。

そして、それらと仕事を両立していくうえでの困難に直面した場合に周囲に体調や困難について相談し、必要とする支援を積極的に伝えることも大切です。

主治医や産業医からの情報や意見を聴取したら、従業員と会社のそれぞれのすべきこと、できること、望むことを理解し、就業継続の可否や就業上の措置、治療に対する配慮について合意形成を図ります。

ここでの注意点として従業員個人にも、職場・会社にもできることの限界があるため、実現可能性と持続可能性、そして周囲との公平性を考慮することが必要です。

治療と仕事の両立支援は社外にも支援制度や機関がありますので、それらを会社としてうまく活用し、従業員本人にも活用を促しましょう。

<労働者が利用できる支援制度・機関>
・支援制度
 -医療費(高額療養費制度、確定申告による医療費控除、自立支援医療制度など)
 -生活支援(傷病手当金、生活福祉資金貸付制度、介護保険制度、障害手当金など)
・支援機関
 -医療機関(がん診療連携拠点病院等、労災病院の治療就労両立支援センター)
 -就業支援(ハローワーク、精神保健福祉センター)

<事業者が利用できる支援制度・機関>
・利用可能な支援制度
 -人材確保等支援助成金
 -障害者雇用安定助成金
・利用可能な支援機関
 -産業保健総合支援センター
 -ハローワーク

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