能力開発|仕事を減らすと生産性が上がる⁈
2025/07/25
生産性とは何でしょうか?
例えば、工場での生産性は、一定時間内に生産させる製品数で測定することができます。営業社員の生産性ならば、営業社員一人当たりの契約件数や売上といった客観的数字があります。さらに突き詰めれば、作業効率や時間当たりの生産性という考え方も含まれます。つまり、人や時間、お金などの資源(インプット)より多くの成果(アウトプット)を得ることができる状態のことをいいます。
いろんな企業で業績に関する会議やミーティングの場に参加していると、どこの社長さんも「物価高だし人件費も上げざるを得ない状況では経費を抑えるのは今の時代では難しい。いかに売上を伸ばし利益を出していくしかない」という話になり、生産性を高める施策・工夫を組織、個人に今まで以上に求められています。
以前、タイムマネジメントについて当ブログで載せたことがありますが、今回はアメリカでベストセラーとなった『SLOW仕事の減らし方』を参考にとくにデスクワーク(知的労働など)に関する考え方について触れたいと思います。
ニセモノの生産性
ある会社組織で働く営業所の一人の内勤社員から「やるべき仕事に手が回らなくなっているので、コーチングを受けて生産性を高めたい」とコーチングの依頼がありました。この社員は経理や労務管理といったルーティン業務(守りの仕事)と合わせて事務所全体の業務改善(攻めの仕事)を担っています。話を詳しく聞いてみると、ルーティン業務は以前からやっていたものの今年度からは春に定年退職したベテラン社員の分のルーティン業務もやらなければいけないということで単純に仕事量が増えたという問題と、業務改善は今年度のアクションプランということでルーティン業務のように短期間での締切がないということで後回しになっているという問題があるということでした。
プレーイングマネージャーにもこのようなケースが多く、すぐ対応しなければいけないこと(緊急なこと)に追われるばかりで今後のことを見据えて手を打っていきたいこと(重要なこと)が後回しになりがちです。
https://coaching-supli.com/blog/detail/20241004145816/
厄介なのが、今後のことを見据えてのアクションというのはアイデア出し・資料づくり・提案する・差し戻しなど時間が読めないあるいは成果が見えにくい作業が多いのが特徴です。そこに現れるのが疑似生産性というニセモノの生産性です。
疑似生産性
仕事の生産性を推定するために、目に見える活動量を主な基準とする見方のことであり、ぼんやりとした雰囲気や慌ただしい動きによって醸し出される空気のようなものです。例えば、定時に帰らず毎日1,2時間会社に残っている人。毎日残業していると「いつも残業してがんばっているねえ」と周りから思われることもあれば、「毎日残業する必要あるの?効率が悪いんじゃない」という見方もできます。本当に朝から夜まで必死にがんばっても仕事が終わらないという人もいるでしょうが、この客観的に評価しにくい生産性が疑似生産性というニセモノの生産性です。
ある会社の社員から聞いた話では、早く帰宅したいので日中がんばって仕事をこなし定時まではいかずとも30分だけ残って仕事をして早く帰ろうと上司に「仕事が片付いたので今日は帰ります」と伝えたところ、「まだ仕事がんばれるでしょ」と言われ、結局そのまま残って他の仕事をせざるを得なくなったそうです。
このケースは「たくさん働くのが是」としており、たくさん働く=長時間働くと捉えている、いわゆる疑似生産性で生産性を評価していると考えられます。だから、このような会社の場合だと、「どうせ早く仕事を片付けても残業しないといけないんだから、がんばって早く仕事をこなす必要がない」と考え方になり生産性が悪く、アウトプットは変わらないのにインプットが増える(パフォーマンスが悪い)という利益が減る結果となります。
スローワーキング
書籍『SLOW仕事の減らし方』の中でスローワーキングという知的労働に取り組む上での仕事哲学が紹介されていて、その原則が下記の3つです。
1.削減-やるべきことを減らす
2.余裕-心地よいペースで働く
3.洗練-クオリティにこだわり抜く
削減は部屋の整理整頓でセオリーとなっている要らないものを捨てると同じ考え方です。やるべき仕事が本当にやるべき仕事なのかを考えて直してみるのもいいでしょう。なぜこの仕事をやっているのかの目的を考えましょう。
前述のコーチングを希望した社員とプレコーチング(オリエンテーション)で、後回しになっている仕事についてなぜ後回しになっているのか、なぜなかなか手を付けられないのかを一緒に探究してみました。すると、後回しになっている仕事のアウトプットのレベルが高すぎることがわかりました。上に提案するプレゼン資料を本人はイラストなど画像をいろいろ用意しないといけないと思い込んでいましたが、話を聞いていくと文字情報だけでいいことに気づけたようです。
なかなか手が付けられなかった仕事が実はさほど時間を要しないことがわかり、さっさと手を付けることができたようです。このようにさほど時間をかけなくてもいいことに懲ってしまい、さもたくさん仕事をしているような錯覚に陥る、これもニセモノの生産性です。
フィンランドのライフスタイルから学ぶ
スローワーキングの2つめの原則「余裕」はフィンランドの働き方を参考にするといいでしょう。ものづくりでは完璧でなければいけませんが、知的労働であればグッドイナフで充分なことの方が多いのではないでしょうか。

こんな働き方だったら、生産性が低いんじゃないの?と思われる方がいらっしゃるかと思いますが、GDPは日本よりも高いです。

仕事を減らして生産性を上げる施策を考えてみてはいかがでしょうか。
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