エンゲージメント|働きやすさと働きがいの両輪で回す
2025/04/04
最近、新築のオフィスビルの1フロアに事務所を構えるオフィスへ仕事で伺う機会がありました。そのフロアにエレベーターから降り、事務所入口とは反対の奥のスペースを除いたところ、自販機だけでなく仮眠がとれるリクライニングシートが3個あり、それぞれ目隠しが施される工夫がされていてちょっとした休憩スペースとなっていました。今どきのオフィスビルはテナントビルでもそのような工夫がされているものだと関心しました。
2025年も4月を迎え、私も4/1は自分が役員を務める会社の入社式に参列したところで、今どきの新入社員は型にはまらないと言いますか、自分というものを持っているように見え、自己主張ができる人が多い印象を受けたばかりです。そんな若い世代は仕事に職場にどんなものを求めているのでしょうか。
働く人がオフィスに求める設備
三菱UFJ銀行・信託銀行の両行が調べた調査結果によれば、オフィスにあると働きたいと思う設備が「カフェ・ラウンジ・休憩スペース」「安くておいしい社食」「広々と使える作業スペース」などのようです。また、設備ではありませんが「朝食や間食の無料提供」が上位に挙がっており、最近よく耳にする福利厚生で手取りアップを実現するという第3の賃上げを期待する人の多さを感じます。

満足感を感じる要因と不満足を感じる要因は別物
では、休憩スペースがなかったら会社を辞めますか?辞めませんよね。あればあるに越したことはないけれど、あったとしてもそれで仕事への意欲や業績が変わるわけではありません。では給料はどうですか。”新卒の初任給が30万円”というニュースを見聞きした人は羨ましく思っているでしょう。
「新卒で30万円ももらえるならどんな仕事でも頑張るわ~」とテレビニュースに突っ込んでいる人もいるでしょうが、ほんとにそうでしょうか?給料が1.5倍増えたら1.5倍分の仕事ができるようになるものでしょうか?そうではないですよね。仮に気持ちだけでも1.5倍分の仕事をしようとガムシャラに働き続けられたら、会社にとってはラクなものです。お金をたくさんあげるだけでモチベーションが上がるなら。
でも人間ってそんな単純ではありませんし、皆さんも経験済みでしょうが、給料が上がったり賞与を多くもらったりしたその瞬間は「会社が私を認めてくれたんだからその分貢献しよう」と思うものの、1ヶ月、2ヵ月経過すると忘れるものです。そしていつの間にか「給料上げてくれないかなあ」となるわけです。
ハーズバーグの二要因理論
アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した仕事における満足と不満足を引き起こす要因に関する理論によると、人間が仕事に満足感を感じる要因と不満足を感じる要因は全く別物と述べています。
人間には2種類の欲求があり、
「苦痛を避けようとする動物的な欲求をいかに充足しても、人間は不満足感が減少するだけで積極的な満足感を増加させることはない」
「たとえ心理的に成長しようとする人間的欲求を十分に満たすことができなくても、不満足感が増加するわけではない」
1)苦痛を避けようとする動物的な欲求…職務不満足へ導く要因
➡衛生要因=ないと不満足にはならないが、あってもワークエンゲージメントにはつながらない
2)心理的に成長しようとする人間的欲求…職務満足へ導く要因
➡動機づけ要因=なくても不満足にはならないが、あるとワークエンゲージメントにつながる

つまり、オフィスの設備やスペースの充実や働き方改革で働きやすくなっても仕事のモチベーションは上がらないけど不満足は減り、仕事を通じて自分の目標を達成できたり上司や同僚に認められたり任せられると働きがいを感じモチベーションが上がるわけです。
退職する理由から考える働く人が求めるもの
では、働く人は仕事に何を求めているのでしょうか?少なくとも働きやすさだけではないでしょうし、働きがいだけでもありません。できるならその両方を望むところです。冒頭の調査結果を見ると、実態はいずれも当てはまらない(設備やスペースがない)人が半数近くであり、ないからといってワークエンゲージメントにはあまり影響しないので経営者の方は一喜一憂する必要はありません。
それよりも上司が部下に対してやれることで大事なのが「達成」「承認」「責任」です。「仕事そのもの」も動機づけ要因ですが、仕事そのものは異動や転職をしないとどうにもなりませんので、その仕事をどうやってやっていくかがポイントです。
私は仕事上、クライアント企業に勤める社員の面談を行うことが少なくなく、離職の相談や離職の報告を直接本人から受けることがあります。会社や職場の人たちには言ってはいないが、本当は「社長(もしくは上司)のやり方・考え方についていけない」「どれだけ残業してがんばってももっと働けと言われる」「社員をコマにしか考えていない」と達成感も承認も得られていなかったケースばかりです。
責任についても上司は「部下に結果の責任を取るようにしている」というものの、そのプロセスは上司が独断で決めたことが多いと感じます。ここでの責任は「部下にプロセスから考えさせ、失敗してもやらせてみる」というレベルのものであり、それが成功しても失敗しても学びがあり成長を実感できることがお金には代えられない財産となるはずです。
私が面談で離職する人から「給料が安いから辞める」という言葉は一切聞いたことがありません。人が離職する理由はお金ではなく人間的欲求であることを頭に置いて新入社員含めて従業員を大切に育てていただくことを願います。
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