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事業計画を立てるためのコミュニケーションとツール(後編)

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事業計画を立てるためのコミュニケーションとツール(後編)

事業計画を立てるためのコミュニケーションとツール(後編)

2024/02/01

毎年事業計画を作ってはいるものの、従業員に浸透しなかったりモチベーションや行動につながらないなど、活用できていない会社が少なくありません。そこで、4月からの新年度に備えて事業計画を作っていく際のポイントを前編に続いてご紹介します。

部下も巻き込んで一緒にブレーンストーミングや対話を重ねてアイデアをたくさん出し、新年度の方向性(優先課題、スローガンなど)が見えてきたら、目標設定やアクションプランを作っていきましょう。

 

 

目標とセットで必要なもの

昨年のプロ野球は阪神タイガースが18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たし、日本一になりました。そして日本一に導いたのが岡田監督。セ・リーグ優勝を「あれ」と称し、「あれ」を達成後は日本シリーズで勝つことを「あれのあれ」と呼んでいたのが印象的でした。昨年の阪神を例にして考えてみましょう。

 

<阪神タイガースの場合>

・ゴール(目的地、目指すところ)→セ・リーグ優勝

・ビジョン(ゴール達成すると得られること、その先の可能性、ワクワクすることなど)

  →クライマックスシリーズ有利、日本一の可能性、ファンからの称賛、優勝旅行など

・目標(ゴール達成の通過点、マイルストーン、成果目標あるいは行動目標)

  →チーム勝率、投手の防御率、打者の打率、出塁数、盗塁数など

・戦略(ゴール達成のために何を費やすか、何を大事にするか、中長期的なプラン)

  →監督の入れ替え(岡田監督就任)、選手の補強、出塁数をアップ、スタッフも大事にするなど

・戦術(戦略を実行していく具体的な方法、チームをどう活かすか)

  →適材適所、四球を選んで出塁数を増やす、当たり前のことを当たり前にする「普通にやれば普通に勝てる」

 

ゴールの達成は、ゴールを明確にするだけでは行動につながりません。ゴールを達成したらチームや自分自身はどうなっているのかというゴールにたどり着く意義・必要性を共有するのはもちろん、現在とのギャップはどのくらいあるのかを理解し、途中の通過点を目指しながら、通過点をクリアできるアクションプランや行動目標など計画を行動レベルまで落とし込んでやっと自ら動けるようになるものです。

 

 

効果的な目標設定の5つのポイント

目標=ノルマ ではありません。目標は目標達成に必要な行動を促進するものです。そのため、目標を立てても行動が伴わないのであれば、目標設定を見直ししたり、早めに目標が達成できるようならば目標をもう少し上に設定するなど状況に応じて変えるのもよしです。そしてどのくらい行動を起こせたか、その行動は十分できたのか足りなかったのかを後で評価し、修正していくためにもSMARTな目標を立てましょう。

 

 

 

目標達成のツール例
世の中にはいろんな目標達成ツールがあるかと思いますが、私がクライアント企業・個人の方に使っているツールをご紹介します。

 

<会社組織向け> バランス・スコアカード(BSC)

BSCは1992年、ハーバード・ビジネス・レビュー誌でロバート・キャプランとデビッド・ノートンによって紹介された企業の戦略を数量的な目標に分け、その達成度を測るツールであり、企業価値を4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長又は人材と変革)で評価するものです。BSCの例としてよく取り上げられるのが米サウスウエスト航空です。顧客満足度の低下により業績の低下に陥ったことから4つの視点からムダをなくす取り組み(戦術)をKPI(業績評価指標)と数値目標、さらにそのアクションプラン(戦略)を明確にし信頼と業績を回復した成功例です。

 

~サウスウエスト航空のバランス・スコアカード~              
                           
  視点 戦略目標 重要成功要因 業績評価指標 数値目標 行動計画
  財務の視点 利益性 市場の評価 株価 30% 低コストで売上増強
      低コスト 少ない機種 飛行機のリース・コスト 20%ダウン  
      売上拡大 顧客の拡大 1座席当り売上高 10%アップ  
  顧客の視点 定刻の離着陸 スケジュールを守る 定刻の離着陸率 30分以内 業務の品質管理と顧客定着率アップ
      低価格 常連客の確保 顧客定着率 90%以上 のプログラム開発
                       
  業務プロセス 実稼動時間のアップ 時間の厳守 定刻発着率 90%以上 サイクルタイムの最適化
    の視点     定刻離陸率 90%以上  
               
  人材と変革 地上クルーのチームワーク 従業員のモチベーション 地上クルーの持ち株比率 1年度70%、3年度90% ストックオプション
    の視点   教育 地上クルーの教育訓練度 年4回 地上クルーの教育訓練
               

 

私がホテルの業績回復のためにスタッフと一緒にブレーンストーミング(グループコーチング)し、戦略マップとBSCを使って月2回のコーチングを行ったところ、たった1年で業績を回復することができました。数字を見える化することで意識・意欲が高まるとともに、自分たちがやらなければならないことではなく、やりたいことをアクションプランに取り入れたことが功を奏しました。

 

 

<個人向け> マンダラチャート

メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手が高校1年生のときに作成したものが有名です。今でもメジャーリーグで試合中に「ゴミ拾い」をしている映像を見ますが、高校1年の時からそれを意識してやっていたということがマンダラチャートを見るとわかります。

 

①縦3マス、横3マスの合計9マスの表の中心に達成したい目標を書き入れ、周りの8マスに目標達成するために必要な要素を入れる

②8つの要素をさらに具体化するために、①の9マスの表の周りに9マスを8つ作る

③②で作った8つの9マスの中心に①の要素を書き入れ、その要素を満たすためのアクションプランや意識することを書く

 

まずは全部のマスを埋めてみることをおすすめします。全部を埋めるのは意外と大変ですが、そこを絞り出そうとすることで今まで考えたことがなかったアイデアが出てきたりするものです。次に8つの要素から優先順位を1つから3つまで選びます。すべてをいっぺんに始めようとすると負担になりますので、すぐにできそうなことだったり、効果が表れやすい重要要素から手をつけます。選んだ要素を手に入れるための8つのアクションプランをより具体的な行動レベルに落とし込むとやれたかどうかを自己評価することができますし、励みになります。

 

組織の場合、まずは会社あるいは組織のBSCを作り、その後各々で自分のマンダラチャートを作ってBSCと個人の取り組みがつながるようにすると、従業員の成長と共に強い組織になるでしょう。

 

 

弊社では事業計画策定からアクションプランづくり、行動促進、ゴール到達までを目標達成ツールと対話で伴走します。お気軽にご相談ください。

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