組織開発|組織がうまくいく条件とは
2025/05/01
私が主宰しているワークワク読書会で先月扱った『「組織と人数」の絶対法則』が組織開発にとても役立つ内容でしたのでポイントを押さえてご紹介します。
この本を今のタイミングで手にした理由は、もう1つ私が主宰している東海スロージョギングクラブの会員数が40人超になるタイミングだったことです。30人になった頃からこのまま同じ運営スタイルしたら、全会員を把握するのは難しくなるだろうし、何グループかに分裂する可能性も懸念。実際に会員数が増えるにつれて参加率が低下し始めていました。組織がうまく条件の1つに人数が関係しているのはこの仕事をする以上、以前から認識しており、私がいろんな研修でグループワークやディスカッションを行う際にもその人数は配慮して行っています。
ダンバー数「150人」
まずこの本の3人の著者の一人であるロビン・ダンバー(イギリスの人類学者)が脳の大きさから調査・研究し、「人間には適切な関係を築ける上限人数が150人」と提唱しました。
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3~5人 |
最も親密な友人関係を築ける人数 |
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12~15人 |
誰かが死んだときに深く嘆き悲しむ友人や家族の数 |
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50人 |
オーストラリアのアボリジニやアフリカ南部のサン人が |
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150人 |
社会的交流が保たれる限界の数 |
前述したように、ダンバーは「相互関係の質は、集団の規模が大きくなるにつれて低下する」ことも証明しています。私は150というダンバー数を何年か前に知り、それを機に年賀状を出す枚数を150枚としましたが、その年につながっている人をスクリーニングしていくとだいたいその人数になりました。また、親友と呼べる友だちをあらためてカウントしてみるとダンバーが示した数字に収まりました。皆さんはどうでしょう。
ダンバーは150人を超えるとスケーラー・ストレスが生じ、集団が不安定になっていくとも述べています。
<スケーラー・ストレス>
・交渉が困難
・コミュニティ内の情報の流れが停滞
・物事が思い通りに進まない
・派閥や縄張り意識が生じる
・互いに疑心暗鬼になる など
なので、組織編成や仕組み、コミュニケーションスタイルを変えるなどマネジメントを変えていく必要があります。
帰属意識をもたらす7本の柱
この本には人数以外の組織がうまくいく法則も記されています。
ワークエンゲージメント(組織への貢献意欲)という言葉がいろんなところで聞かれるようになり、ご存じの人も少なくないと思いますが、それに関係する帰属意識というものがあります。人は血縁や帰属の感覚を渇望し、それは心理的なセイフティネットとなるようです。日本に多い中小企業の多くが同族経営であるのがそれを証明していますし、血縁関係がないのであれば心理的安全性がチームに必要ということもこのことからわかります。
血縁関係でなくても絆が深まり互いに寛容になる要素が7つあり、より多くの柱を共有することでいい関係を築きやすくなります。

人は自分に似た人に自然に引き寄せられる(=ホモフィリー)傾向があり、とくにその人のことをどれほど信頼できるかを見極めるのには7本の柱の1つ「世界観」が決めてとなるようです。とは言え、同じ考え方の人、似たような人ばかりを集めては長所、短所を補えなかったり、斬新な発想が生まれにくくなることもありますので、異なる考え方や視点を持つ人間が集まる工夫は必要であり、そんな人とも協働し合える組織・チームを作るのがリーダーの重要な仕事と言えます。
絆づくりには
高い目標や困難なミッションをチームで達成するには、人ならではの絆というものがないよりある方がいいことは多くの人が実体験で感じていると思います。その絆についてもこの本に明記されています。

目標達成までの過程が大切というのは絆を深めることにもつながりますし、そのような行動に身体的な接触や行動の同調性があるとより絆づくりに有効であるというのはとてもアナログ的であり人間が人間である所以だと思われます。私のクライアント企業で健康のために毎朝ラジオ体操をやるようになったら、社内の人間関係がよくなったという報告を受けたことがありますが、まさにこのことです。
身体的な接触というのは昨今モラハラ、セクハラとNG行為が多くなりましたが、私が思う職場でできる身体接触はハイタッチ(グータッチ)です。つい先日クライアントからお礼の握手を求められ応じたことがありました。コロナを機に男女関係なく握手する機会がゼロになっていた中での5年ぶりくらいの握手。久しぶりのせいか握手に少し抵抗感を抱いたのは自分でも驚きでした。握手は人によっては嫌がる人がいるでしょうから、「がんばったね」「うまくいったね」と感情表現の1つにハイタッチ(グータッチ)を使うことで脳のエンドルフィンが働いて帰属意識や信頼が生まれるように思います。
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