コーチングサプリ

32年前のオリンピアンと今のオリンピアンの共通点

お問い合わせはこちら

同期のトップアスリートに時空を超えて気づかされたこと

同期のトップアスリートに時空を超えて気づかされたこと

2025/01/14

お正月が明けて私の初仕事になるのが母校中京大学の賀詞交歓会です。私の恒例行事となっています。同窓生の異業種交流会という位置づけの会であり、毎年ゲストによるトークショーがあり、いつも私は楽しみにしています。今年は大学時代に同じ陸上競技部、同期だった青戸慎司くんがゲスト。彼は陸上で夏季五輪とボブスレーで冬季五輪の両方に初めて出場した選手ということでも知られていますが、何と言っても男子100mの元日本記録保持者であり、当時4×100mリレーの選手であり、「日本人が短距離でファイナル進出、メダル獲得なんて夢のまた夢」と多くの日本人が思っていた時代の1992年バルセロナ五輪で60年ぶりの6位入賞を果たしたというリレー侍の礎を築いた立役者です。そんな彼がコーチしていた選手で昨年のパリ五輪で活躍した川端魁人選手(4×400mリレーで6位入賞)と福永凌太選手(パラ陸上400mで銀メダル)とのトークショーでは、私が知る由もないトップアスリートにしかわからない重圧と葛藤していた青戸くんの苦労話を聞くことできました。

 

 

昭和から平成に時代が変わる頃がちょうど学生時代真っ只中だった私ですが、その当時の中京大学はスポーツ推薦が盛んだったこともありますが、とくに陸上競技部は全国の高校からインターハイ優勝レベルの選手が何人も入学するほどで、全日本インカレでは男女ともに総合優勝だけでなく、青戸くんのような学生だけでなくコーチ(室伏重信氏=現スポーツ庁長官の室伏広治氏の父)も五輪に出るといった陸上王国でした。あまり知られていませんが、青山大学の駅伝部監督の原晋氏は私たちの1つ上の先輩でした。私はスポーツ推薦に落ち一般受験で入学した三流選手で、中学と高校で走り高跳びをやっていましたが、1年生のオリエンテーションでたまたま居合せた混成競技(十種競技、七種競技)のコーチに声をかけられ七種競技に転向し陸上を続けました。

 

混成競技は皆さんご存じの通り、走る、跳ぶ、投げると様々な種目を高いレベルで身に付けなくてはならないので、毎日いろんな種目の練習をしていました。そのときに青戸くんが自分の練習の合間にフィールドに入ってきては「僕も槍投げさせて」と言って混成ブロックに混ざってくることが度々ありました。普段もそんな感じで人懐っこい人柄でユーモアがあり、高校生の時も陸上ですでに有名人だったこともあり、私には彼の周りはいつもキラキラと和気あいあいのオーラを放っていたように映っていました。

 

そんな彼がトークショーで話してくれたのは、他の誰にも見せなかった姿でした。夜中2時にふと目が覚め、100mのスタートのイメージが気になり、誰もいない真っ暗のグラウンドに行ってスタートの練習をしたということです。誰から何を言われようと笑って吹き飛ばすような彼でも試合のことが気になって夜も眠れない日があったんですね。さらに、彼が大学時代に自らやっていたきつい練習を、川端選手や福永選手にもやらせていたという話も衝撃でした。両選手ともその練習のきつさを語っていましたが、その練習のおかげで結果を出すことができたとも言っていました。

 

私がいた当時の陸上競技部のほとんどが地方から来て寮住まいだったのに対し、私は隣の市から自宅通学していたこともあり、朝練は一度もしたことがありませんでしたし、他の選手が朝練をやっていることも知りませんでした。が、青戸くんはトークショーで「毎日授業の前に朝練を…」と話していて、今更ながら自分のことが恥ずかしくなりました。部員約300人の陸上競技部に入り、青戸くんのようなトップアスリートが何人も同じグラウンドで走っているのを見ては「高校まで散々練習をしてきたんだから、私がこれ以上努力しても大して変わらない」と、選手としての限界を感じ思いながらグラウンドに立っていました。それに対し、トップアスリートは自分の才能を過信することなく、人の何倍も努力をしてきた。これは当たり前のことで、私も当然その理屈は十分承知しているのですが、時空を超えて自分の身近、同期に今になって突き付けられたのは衝撃的でした。「もし私が大学時代にもっと本腰を入れて陸上をやっていたら…」と後悔先に立たずですが、遠い昔の話だからこそそんな風に初めて振り返ることができたのかもしれません。

 

 

現在は、青戸くんは中京大学陸上競技部の副部長とスポーツ振興部スポーツ強化・地域貢献課 課長を務めながら、全国のちびっこにかけっこの指導をおこなったりスポーツや健康に関する講演活動をしているそうです。そして私はスポーツでいうと、大学までとは違って苦手だったマラソンを趣味に留まらず、スロージョギングをとくにシニア層に向けて健康寿命延伸につなげる活動をライフワークにおこなっています。青戸くんと私とでは活動の対象者も走るスピードも真逆です『走る』という行為は一緒なので、いつかコラボしてイベントなどを実現できたらいいなと思っています。

---------------------------------------------------------------------
コーチングサプリ
〒466-0002
愛知県名古屋市昭和区吹上町1-10-106
連絡先:https://coaching-suplicom.onerank-cms.com/contact/


----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。